(回答は別途記載ない限り議長による)

1. 内部統制システムは機能しているのか。招集通知18ページの(4)「内部監査部門の設置」について、設置の年月日とスタッフの人員を教えて欲しい。
2. また、同じく18ページの(5)および19ページの(3)「内部通報制度の整備」について、内部通報制度の利用実績を教えて欲しい。

  1. 内部監査室は当会社の設立時(2004年8月2日)から存在しています。内部監査室の陣容としては、マネックスグループに2名、マネックス証券に2名、マネックスFXに1名の計5名が所属しています。当会社グループ全体からすれば現在の陣容で十分だと考えていますが、必要に応じてスタッフの強化を図りたいと考えています。
  2. 内部通報制度につきましては、取締役の行為および社員の行為について社外弁護士に直接連絡する手段を構築していますが、今までのところ実績はありません。なお、制度があっても周知をしないと機能しないので、定期的に内部通報制度があることを従業員に対して周知しています。

招集通知25ページの連結株主資本等変動計算書の株主資本部分で、「連結会計年度中の変動額合計」という部分があるが、利益剰余金は△4,107百万円、株主資本合計は△4,108百万円である。ところが、その基礎となる数字である「剰余金の配当」欄及び「当期純損失」欄は両方とも同じ数字になっており、なぜ合計の結果である「連結会計年度中の変動額合計」部分だけ1百万円違うのか教えて欲しい。

連結株主資本等変動計算書はすべて端数切り捨てで作成しています。ご質問の項目につきましては、自己株式の取得・消却が20万円程度あったことから、切り捨てを行った際に「連結会計年度中の変動額合計」で1百万円の差が生じたものです。

招集通知49ページの剰余金の配当について、招集通知22ページ記載の配当の計算基準と合致しておらず、納得できない。 今回の配当議案を取締役会で決議した際に取締役全員一致で決定したのか。なお、株主でもある議長の配当に関する見解も聞かせて欲しい。

配当の議案につきましては、全員一致で決議したものです。今年度は当期純損失が出ているものの、株主の皆さまとの長期安定的な関係を構築することを考えて最低限の配当は行うこととし、一株当たり200円の期末配当を決議しました。水準に関しては当会社の資本の部の額や株主数、他社事例等にかんがみて妥当と考えています。
なお、自分自身も大株主ですが、あくまでも会社のため、すべての株主の皆さまのためを考えて議論をしたもので、その結果が今回付議させていただいた議案となります。

招集通知22ページ記載の剰余金の配当等の決定に関する方針は撤廃する予定であるか。

現在取締役会で議論しているところです。かつては業績連動の配当を好む投資家が多かったのですが、最近は安定配当も好まれていると認識していますので、その点も踏まえて、今後新しい配当方針を打ち出すべきか、それとも現在の方針を維持すべきか、検討していきたいと考えています。今後議論をし、決定しましたら株主の皆さまに対しお知らせしたいと思います。

取締役の人数が従業員の人数の割に多すぎないか。

取締役の人数は、会議体を構成する以上奇数であることが望ましく、また、社外取締役は社内の取締役への牽制という意味で、選任されている方が望ましいと考えています。これを踏まえると、現在の社内取締役6名、社外取締役3名というのは、バランスが取れているのではないかと思っています。例えば5名では社内の取締役が3名ということになり社内のモニタリングが困難になります。
当会社の取締役会は毎月、平均して3時間程度開催しており、通常考えられる取締役会よりも幅広くかつ深く議論をしています。この9名で適切かつ深度のある議論ができており、妥当な人数だと考えています。
なお、当会社はインターネットを使った事業モデルを構築している会社なので従業員数は少ない傾向にあり、従業員の人数と取締役の人数との比率をもって取締役の人数を考えるべきかどうかは難しいところですが、ご指摘の点も踏まえて今後も適切な人数について検討していきたいと思います。

社外取締役や監査役が機能を果たしていることを示す資料がない。例えば社外取締役が年間どの程度取締役会に出席し、何回発言し、それが取締役会の決定にどういう影響を与えたのかについての情報開示を行って欲しい。行政処分が出たこともあるし、株主として、しっかり監督ができる人かどうかを判断するためにも、候補者が適任者であることが分かるような情報提供が必要である。

社外役員につきましては、招集通知の13ページから16ページで、当事業年度における主な活動状況が開示されており、例えば取締役会への出席回数も記載されているほか、どのような立場から発言をしているのかを開示させていただいています。
なお、行政処分につきましては、当会社の子会社であるマネックス証券に対するものであり、当会社の社外取締役については同社を直接監督する立場にはなかったものと考えています。

事業報告の中で、マネックス証券の口座数が増えたという説明があったが、それ以上に休眠口座が増えているのではないかと思っている。口座の稼働率について教えて欲しい。

稼働率はあまり変化しておらず、口座数が増えていることに比例して稼働口座が増えているという印象を持っています。例えば、昨年10月に株価が下落した際にも、安くなったことを契機に株式を購入した投資家が多く、むしろ稼働率は上がりました。他社に移るお客さまもそれほど多くないものと認識しています。

マネックス証券に対する行政処分は数年前にもあり、今回が2回目だが、経営陣として原因はどこにあると考えているか。また、3回目を起こさないためにどう対処することを考えているか。経営陣のほか、監査役からも意見を聞きたい。

行政処分につきましては、システム管理の態勢面が不十分だったことが原因と考えています。実際、マネックス証券と同日に処分を受けた楽天証券は大規模なシステムトラブルを起こしていますが、マネックス証券についてはそういったトラブルがなかったにもかかわらず、楽天証券より重い処分を受けています。これは、結果的にトラブルがあったかどうかというよりも、むしろシステム管理態勢が十分であるかどうかを行政が重く見ているということだと思います。システムトラブルにつきましては、起こしてはならないという強い決意を持ってやってきましたが、態勢面(禁止行為の文書化等)やその外部チェックについての留意が不十分であったことが最大の原因だと分析しています。
これを受けて、4月8日にマネックス証券の態勢整備を行い、松本(マネックス証券CEO)が新設の品質管理室(業務全体の品質を改善する部室)を直接統括することとしています。約3ヶ月運営していますが、内部管理態勢がかなりしっかりしてきたと思っています。
(議長の指名を受けて河相常勤監査役による説明):監査役としても前回の行政処分を受けたあとの改善の進捗状況を重要事項として監査してきました。内部統制の構築の努力はされてきたと思いますが、改善状況の実施段階で不十分なものがあったことが原因と考えています。 今後に関しては、今回の行政処分を受けた改善報告書の内容が実施されているかどうか、特に態勢の整備状況や検証システムが機能しているかを重点的に監査したいと思います。改善報告書提出後、現在までの状況としては充実していると考えていますが、引き続き確認していきます。

インターネット証券に対する行政処分は一般的に重いのではないかと思うが、行政処分の遵守への所見を聞きたい。

すべての行政処分をしっかり遵守していきます。マネックス証券も含めて証券会社は公器だと思っており、行政の命令を守るのは当然だと思っています。また、今回の処分の内容も行き過ぎではなく適切だと思っており、インターネットを使ったビジネスについてきちんと行政に説明していくことも責務だと考えています。

招集通知5ページの販売費・一般管理費で事務委託費が前期比6.6%増とあるが、売上が下がっている中で経費部分が増大しているというのは問題ではないか。今後の削減方針や、事務委託を行う基準について教えて欲しい。

マネックスFXを子会社化した関係で同社のグループ内での位置づけについて外部コンサルタントの協力も得ており、今年度の販売費・一般管理費の増加は、そうしたマネックスFXの子会社化に伴い一時的に発生したものがかなりの部分を占めています。
今後の削減方針につきましては、販売費・一般管理費は当事業年度157億円余でしたが、年間10億円のコストカットを目標に、あらゆる場所でコストカットを目指しており、4月及び5月の実績では目標を上回っています。さらには前事業年度の販売費・一般管理費は139億円でしたので、業務が多角化する中でチャレンジングな目標設定ではありますが、その水準まで落としていければと考えています。
事務委託を行う基準につきましては、固定費化するのが良いのか変動費化した方が良いのかといった点(当会社の業績は市況に影響を受けざるを得ないので、市況がよいときにアップサイドを取るには固定費化が適しています。)、他社が構築した大きなフレームワークを利用させてもらった方が事業を継続的に行うために安全であるといった点等を勘案して決定しています。今後もどの部分をアウトソースするかにつきましては、しっかり判断していきたいと思います。

当会社の株価は3月に上場来安値になり、その後に倍近くまであがってきたが、この点については、どのような要因が影響していると考えているか。

上場会社である以上、当会社の株価はマーケットの判断によるものと認識しています。ただ、個人的感想を申し上げますと、株式市況に左右されない事業モデルを構築しようと努力してはいるものの、現時点では業績が市況に左右されやすい状況です。したがいまして、マーケット全体の株価が上下すると、当会社の株価もそれに若干過剰に反応して上下するという傾向が強いように思っています。当会社は証券会社を中核にしている会社ではありますが、特に市況が悪くなったときに株価がつられて下落することのないよう、コストに留意しつつ事業を分散化していくことを考えています。

当会社の株価については、イーバンク銀行との株式持合いが影響しているのではないか。

イーバンク銀行とは株式の持合いはしておらず、当会社がイーバンク銀行に投資しているだけです。ただ、投資に関して失敗をしたというのは事実ですので、しっかりリスク管理に取り組んでいきたいと思っています。

社外取締役は多すぎるのでアドバイザー等とすれば良いのではないか。

一般的に経営陣は、有事には株主の皆さまではなく、自分たちを守ろうとする傾向がありますが、社外取締役につきましては、それに対する牽制的な役割を果たしてくれるものですので、一定の効能はあると思っており、社外取締役を選任する意義はあると考えています。

昨年の株主総会で、マネックス証券における貸株サービスについて、権利確定日に貸株の設定を自動的に解除できるシステムの導入について質問し、それに対して検討するとの回答があったが、検討結果はどうか。

議決権が欲しいので借株をしたいというニーズがあることもあり、権利確定日に貸株設定が解除される仕組みにしてしまいますと、今度は当会社が借主から貸株料を十分に受け取れず、結果的に当会社に対する貸主である個人投資家の皆さまに対して金利が支払えなくなるという問題があります。このような事情を踏まえ、株主優待につきましては、当会社に対する貸主である個人投資家の皆さまの意向に配慮して貸主が優待を受けられるようにしていますが、議決権までは対応していないというのが現状です。
ご質問の点につきまして、導入の検討はしたものの、昨年と状況は変わっていません。ただ、一方で議決権が欲しいので借株をしたいというニーズが減っているようにも思いますので、再度検討してみたいと考えています。

マネックス証券の貸株サービスの中で、当会社(マネックスグループ)の株式を取り扱えないか。

当会社の株式を貸株サービスの対象とすると、マネックス証券が親会社である当会社の株式を取得することになり、会社法上禁止されている子会社の親会社株式取得に該当するため、対応できません。

社外取締役についてコスト面からの指摘があったが、ガバナンスのために必要な仕組みではないかと思うがいかがか。

ご指摘のとおりと思いますので、今後も株主の皆さまのためのガバナンスの構築に取り組んでいきたいと考えています。