(回答は別途記載ない限り議長による)

1. 株価の状況が厳しく、そしてインターネット証券会社間の競争が厳しい中、会社としての将来展望について聞きたい。
2. 証券会社が外国為替保証金取引を扱うメリット・理由は何か。

  1. インターネットが当たり前の存在になりましたが、インターネット自体が当会社の企業価値の根源ではありません。インターネットはツールに過ぎません。当会社グループは、広義の金融機関として、個人投資家により良い金融サービスを提供していくことが目的であり、お客さまがより良い資産設計をする手助けをし、それに基づき収益をあげることによって、株主に還元していきたいと考えています。また、「インターネット証券会社」という枠に扱われないよう、持株会社という形態を利用して、当会社の企業価値を高めていきたいと考えています。
  2. 当会社グループでは、個人投資家にとって良い商品を提供していきたいと考えていますが、リスク・リターンの関係からして相応しくない商品はしっかり選別の上除外していくという基本的考えに立っています。この点、外国為替保証金取引は、流動性が高いマーケットにおいて行われる取引であり、当会社から勧誘行為をすることもないので、問題ある商品とは思っていません。また、手数料収入が下がっている中、当会社にとって利益性の高い商品でもあるので、企業価値を高める重要な商品と位置づけています。

広告宣伝費が前期に比べ大幅に増加しているが、その効果はあったのか。使途の概要は何か。どのような広告宣伝に注力していくのか。またどのように回収していくつもりなのか。

当期は約20億円を、広告宣伝費として使いました。当期は、期中において純営業収益の10%相当額を広告宣伝費等に使用するという予算を立てましたが、後半は8%に落としました。当会社の認知度に効果が認められたので、今年度は6%にまで落としています。10%の妥当性について、手数料額は売買代金に対し約0.1%なので、売買代金に対しては約0.01%となり、特別高い水準とは言えないと考えています。今後も、当会社の認知度を上げ、まだ有価証券投資をしていない潜在的顧客を取り込んでいく努力を続けて、効率の良い成長ができる広告戦略を展開していきたいと考えています。

高い配当性向を維持していくとあるが、当期の業績は減益・減収である。配当性向についての考えおよび今後の目標を聞きたい。

基本的には、前事業年度のマネックス証券の純利益の半分を当会社に配当し、当会社の当事業年度の利益として計上されたものが当期になって当会社の株主に配当されるという基本的構造となっています。これは持株会社という会社形態によるもので、「期ズレ」と通称されているものです。この点、「期ズレは分かりにくい」というご意見を昨年度の定時総会でも頂戴していたところ、検討した結果、今年度からは、当期利益の半分を目処に配当するという方針にしたいと考えています。配当の頻度も年一回から年二回に上げる予定です。すなわち、この「上半期のグループとしての純利益の半分」を12月に、「下半期の半分」を翌年6月に配当するという方針を採ることを考えています。

1. 預り資産が減り、かつ、手数料収入も減っていることなど収益の管理について、説明が聞きたい。また、インターネット証券の雄としてのマネックス証券に期待をしているので、収益について今後の展開を聞きたい。
2. マネックス証券を利用者にとって利用しやすいものにするために、顧客の意見をどのように反映させているのか。

  1. 証券業もしくは金融業は、コスト管理ではなく、収益を増やすことを本旨とする業態だと考えています。「お客さまが儲かり、当会社も利益を上げる」ということが、当期は不十分だったと理解しています。当期は、日本の株式市場(特に新興市場)の下落の影響を受け、お客さまの財産を増やすことが十分にできませんでした。今後、より幅広い商品(日本株以外の商品、相場の変動の影響をあまり受けない商品など)を提供し続ける一方、一般の投資家が投資について学べる機会を増やすサービス提供などもしながら、当会社(グループ)の収益を伸ばしていきたいと考えています。
  2. (議長の指名を受け取締役工藤恭子による説明):マネックス証券のCS推進室でお客さまの意見・要望を取りまとめて、月2回のペースで関係部署が共同で対応策を検討し、随時実施に移行している状態です。当期1年間の702件のお客さまからのご意見のうち、160件は対応済み、105件は対応決定し対応策の実施準備中です。110件は未だ検討中のもので、残りの327件については検討した結果対応策をとることを見送りました。(議長):これらの対応策はマネックス証券のホームページにも掲載されていますのでご覧ください。

当会社の大株主に日興コーディアルグループ(26.2%)があるが、シティグループによる日興コーディアルグループに対するTOBが、当会社の当期および今後にどういう影響があるのか。

日興コーディアルグループは旧日興ビーンズ証券の大株主ですが、当会社は株主から独立した企業であって、日興コーディアルグループの影響を直接受けているものではありません。シティグループによる上記TOBは、当会社の株主のことであるため、当会社が申し上げるべきものではありません。しかし、当会社は、日本および海外の大手金融機関に伍していく会社になっていくことを目標としており、特定の突出した大株主を持つことが望ましいとは考えていません。なお、シティグループおよび日興コーディアルグループとは良好な関係を築いていますので、今後も当会社にプラスになるように努めていきたいと考えています。

当会社株価が低迷しているのは日興コーディアルグループの影響があると考えるが、当会社の株主構成政策を聞きたい。

上場会社である以上、株主構成はコントロールできるものではありません。しかし、IRを積極的に行い、当会社のビジネスモデルの説明等を行っています。必要な開示を行い、個人投資家向けに説明会を開いています。継続的に国内外の機関投資家への説明に回っています。株主構成は分散していたほうがよく、当会社の企業価値を高めることに協力的な機関投資家が増えて欲しいと考えています。なお、日興コーディアルグループが大株主であることは問題ないと考えています。当初、旧マネックス証券の設立にあたっては、私とソニーと半分ずつ出資し、その後、当会社の成長のために日興ビーンズ証券と経営統合しました。今後も成長のために株主構成も変化していく可能性があると考えています。

配当政策について伺いたい。期ズレをなくす際、今年度の当会社からの配当はどうなるのか。

内部留保される利益も会社の所有者たる株主がその割合に応じて保有しているものと考えていただきたいと思います。配当として社外に交付するのか、内部に留保するか、という形式の違いです。配当政策は、株主の皆様の意見を参考にしながら、経営陣として考えていきたいと思います。大株主の意向だけを反映するようにはしたくないと考えていますし、少数株主の考えに耳を傾けて配当政策を考えていきたいと思っています。

引受手数料が45%減った理由と今後の投資銀行部門の経営方針を聞きたい。

引受手数料の減額の理由は、(1)当期についてはマーケット全般が低調だったことに加え、(2)前事業年度(平成18年3月期)にIPOの引受けは好調であった一方、(3)当期は大規模なIPOの引受に参加し損ねた、といった事情が考えられます。今後、マネックス証券として、成長させたい分野です。なお、引受手数料は減収だったものの、引受社数は好調を維持しています(全体の50%)。今年度も引受社数は全マーケットの50%程度は獲得していますが、引受金額は少額な案件が多いので、今後は高額な引受ができるようマネックス証券の投資銀行部門を成長させたい、と考えています。

金融資産として預金しか持っていなかった人が、投資を始めるに当たっての投資エントリー商品としての投資信託についてどのような展開をしているのか聞きたい。

日本における、オンラインの投資信託販売実績(メガバンク含め)は、マネックス証券が第一位です。マネックス証券は、お客さまによりよい投資信託を選別して提供しています。マネックス証券自ら投資信託商品をデザインして他社に運用委託したり、または当会社子会社が直接的に運用・助言したりするなど、投資信託に力を入れています。例えば、投資の経験の少ないお客さまに適したマネックス資産設計ファンドなど、市場での評価が高い投資信託商品をデザインしたりしています。顧客層を広げるためにも投資信託商品・サービスに注力していきたいと考えています。

招集通知9ページの従業員について、
1. 新卒・中途の割合はどの程度か
2. 従業員数を今後増やすのか、増やさないのか
3. 従業員の増加が一般管理販売費に与える影響について聞きたい。

当期の採用者のうち、5名が新卒で、残りが中途採用です。
業務拡大のため、採用は今後も増やしてはいきますが、この先数年間で従業員数が200名を超えることはないと考えています。
費用額のうち人件費が占める比率は、大手証券会社だと50%程度(40~60%)であるところ、当会社は20%弱なので、従業員増加による人件費の増え方は限定的です。コストを構成する最大要素は、「人」「システム」「広告宣伝費」の三つであるところ、当会社は、人への資本投下が最も大切なものと考えており、今後も続けて行くつもりです。

監査役であった田名網氏を取締役に選任するというのは、コーポレート・ガバナンスをより強化するという意味なのか。

田名網氏と佐々木氏が監査役から取締役に就任するというのは、経営の力を強化する為です。会社内の牽制という意味でのガバナンスは、個人の力によってではなく、構造として整備していくべきものと考えており、社外取締役等を補充することなどによって実践しています。

イーバンク銀行の株は何パーセント保有しているのか。またイーバンク銀行とはどのような企業戦略をもっているのか。

当会社は、イーバンク銀行の株は発行済株式総数の4.90%にあたる数を保有しています。マネックス証券とイーバンク銀行が包括業務提携することで、マネックス証券のお客さまに対し、より便利なサービスを提供することができるようになりました。また逆にイーバンク銀行にとっても有益な業務提携となっています。現在の株式保有割合の投資をすることが当会社にとって、最も効果的であると判断しました。

1. 従業員数の増加がこのペースなら200名を超えるのではないか。
2. イーバンク銀行との新しい提携により、クレディセゾンとの提携カードとは別に新しい提携カードを発行する予定があるのか。
3. クレディセゾンとの関係はどうなるのか。

当面は200名程で収まるという予想を持っています。
イーバンク銀行との提携カードは未定ですが、お客さまにとって利便性の高いサービス提供のために考えていきたいと思います。
クレディセゾンはクレジットカード会社であり、イーバンク銀行は銀行という業種の違いがありますので、イーバンク銀行との提携は、クレディセゾンとの提携に基本的には直接の影響はないものと考えています。

従業員のうち派遣社員が40%という状況であるが、昨今の社会状況からすれば正社員を増やすべきではないのか。

当会社の派遣社員は、コンタクトセンター(いわゆるコールセンター)のオペレーターが大多数です。コールセンターのオペレーターという職種を派遣社員が担当することが通例ですので、当会社でも派遣社員という雇用形態にしています。なお、派遣社員から正社員への採用も、随時行っています。