(回答は別途記載ない限り議長による)

配当について、配当性向に対する記述が見当たらない。配当政策に対する公約はないのか。

なるべく株主の方に配当という形で還元していきたいと考えています。その一方で、システム投資や必要な事業展開をするために、一定の金額を成長のために留保しなければならない部分もあります。配当性向については、なるべく高くしていきたいと考えていますが、現状の当社を取り巻くビジネス環境がかなりダイナミックに動いている状況にありますため、現状におきましては、配当性向を公約することを控えさせていただいております。

配当を高くしたいというのは、あいまいでわかりにくい。高くするということは、具体的にはどれくらいが高いと考えているか。

配当性向については、最低でも30%くらいは払っていきたいと考えています。ただし、当社の業態と取り巻く環境が流動的でありますので、今日の段階で配当性向を確約することは、当社にとっても株主にとっても、最良であるとは判断していません。ご指摘の内容は大変よく理解できますので、しっかり受け止めて、今後検討していきたいと存じます。

今後さらに業績を伸ばし、国民に広く利用される証券会社になっていくためにはISO規格などの取得が必要であると思うが、それらの取得は考えているのか。

当社の主な業態は個人投資家の方々に投資のインフラを提供することなので、ISOなどの取得や基準に合致するような体制を築くことは必須であると考え、体制作りを進めています。実際にプライバシーマークやISMSの取得について検討してきた経緯があります。現状取得していないのはコストの問題であるとか、個人情報保護法などの社会環境等が若干流動的であるためです。取得するかどうかにかかわらず、そのような基準に合格するような体制を作ることを、社外のコンサルタント等の指導を受けながら進めています。最終的に基準を取得するかどうかは、今後の状況を見て判断したいと考えています。

損益計算書の当期利益が招集通知の15頁と23頁に記載されている二種類あるのはどうしてか? 23頁の当期未処分利益の7割くらいが配当されることになっているが、これだけ配当して大丈夫か。

15頁の損益計算書は連結の損益計算書になります。当社MBHの傘下にマネックス・ビーンズ証券をはじめとする子会社があり、15頁の損益計算書は、そのような子会社で上げている利益等も全部含めた当グループ全体の損益を表していますので、当社MBHの株主の皆さまがご覧になるのに最適の損益計算書かと思います。
23頁の損益計算書は持株会社単体の損益計算書です。持株会社であるMBHは単体では収益を上げることができず、証券子会社からの配当で収益を得る形となっています。当期に関しては、昨年の9月末に日興ビーンズ証券から受け取った中間配当が主な収入となっており、マネックス証券には累積損失が残っていたため、中間配当が払えなかった経緯があります。
その結果、当期については、グループ全体の利益(連結の当期利益7,079百万円)に比べて、持株会社単体ではそれよりかなり少ない金額しか利益として計上できない形となっており、皆様に支払う配当の原資となる金額が少なくなっています。
配当性向としては、利益の約7割の配当というと極端に高いように聞こえますが、実際には、当期新しくこのような企業集団の構成を作った事情から、本来もっとある利益を上場企業であるMBHで計上できなかったという事情があってのことなので、MBHで計上できた利益については、可能な限り株主の方に還元しようということで、7割の配当となった次第です。

マネックス証券に残っていたという累積損失は、招集通知14頁の連結貸借対照表上、どこに計上されているか。

14頁の連結貸借対照表は、この3月末時点での連結貸借対照表になりますが、その時点では累損は一掃されています。旧日興ビーンズ証券は減資をした経緯があり累損を解消しましたが、旧マネックス証券は減資を行っておらず累損を抱えてきました。第3四半期決算時には、まだ累損を計上していましたが、本決算時には計上しておりません。これは旧マネックス証券においては今年の1月から3月の間に累損がすべて解消されたということを表しています。

第6号議案に関して。監査役の人数も変わっておらず、職務もそんなには変わっていないと思われるが、どのような理由で報酬を増額するのか。

一番大きな理由は、当社の事業内容が、株式の売買委託を中心としたビジネスに加えて、代替投資を組成する子会社の設立とか、また今後の銀行の証券業務参入などの環境変化の中で、日々拡大してきているということです。
監査役は、概念的に言うと、株主の皆さまのために会社の経営が正しく行われているかどうかをチェックする機能を持っています。事業範囲が拡大するにつれて、その内容について法令等が遵守されているか等を確認する監査役の仕事量や責任はより増えてきていますが、それに加えて、全体的な社会環境の変化の中でも監査役に対する期待や責任がやはり増えてきています。
また、社外監査役が半数以上いなければならないといった法令の変更もあります。以上の3つの理由等から、監査役に対するニーズが高くなってきており、優秀な監査役を確保するために必要なことと判断してこのような議案を提出した次第であります。なお、本件は月額報酬の上限を上げるものであって、これを全部支払うということではありません。

取締役や監査役の中で、MBH株を1株も持っていない方がいる。役員や社員も最低1株は持つことによって、愛社精神や、一般的に営業の張りが出てくると思うがどうか。

取締役等が当社株式を持つか持たないかということと、取締役等が当社の経営等に対してどれだけ強くコミットして、強い意志を持って会社のために経営をするかということは、必ずしも関係はしていないと思っています。その一方でご指摘のとおり、社員も含めて愛社精神をもつべきということもよくわかりますが、最終的には個人の判断に任せていきたいと考えています。

現状の株価について市場から低く評価されているのではないか。株価を上げるような施策はないのか。

今の株価が当社の企業価値を本当に反映しているかは、マーケットが決めていることなので申し上げられません。
個人的には、証券子会社の合併後の事業ベース、たとえば商品・サービスラインナップ、システムの堅牢性、合併に伴うコスト削減などを考えると、もう少し違う株価があってもいいのではないかと思うこともしばしばあります。
株価を上げるための施策についてのご質問については、ある意味で技術的・表層的な対策は中長期的に見て株主の方にとって得策ではないと考えています。
我々のすべきことは、業績をよくすることとそのことについてしっかりしたIR、投資家向けの説明を繰り返していくことであると考えています。業績の向上については、今回の合併による商品・サービスの充実とコスト削減もあり、現在日々鋭意努力をしているので結果を出せるものと信じています。
また、IRについては、当社の現状や将来の可能性についてマーケットに対して適切に発信できているかということに関して、まだまだ改善の余地があり、今後いろいろな形で改善していきたいと考えています。

IT設備の設備投資費用はリースになっていると思うが、その費用はいくらくらいか。

システムの費用は旧マネックス証券と旧日興ビーンズ証券で費用計上の方法が若干異なり、旧マネックス証券においてはリースを使っており、旧日興ビーンズ証券においては事務委託費という形で計上されています。
両社のシステム自体はほぼ同規模で、概算で旧マネックス証券のリース分が約10億円、旧日興ビーンズ証券の事務委託費が15億円程度です。それ以外に付随する費用を含めると、当期のグループ全体の販売費及び一般管理費の6割程度と考えられます。このシステム関連コストが、両社の合併により今後おそらく4割程度削減できるであろうと考えています。

第2号議案について。変更理由の(3)で、中間配当を可能にするためとある。当社は中間配当はしないという方針だったと思うが、この定款変更を行うということは中間配当を出すということか。

中間配当については、今後機動的な配当ができるように、定款を中間配当が可能な形に変更しておくというものです。しかし、中間配当は株主総会での承認を得ないでできるものですが、基本的な考え方として配当は会社の外にお金が出ていくものであり、しっかり株主総会の承認を得て行なうべきものと考えていますので、現状では、中間配当は行わない方針です。将来、方針が変わることがあれば、しっかりとご説明したいと考えています。

第2号議案について。変更理由の(1)で、今後の事業展開に備え、いろいろと目的事項を追加するようであるが、具体的な展開としてはいつごろ実現されるのか、分かる範囲で教えてほしい。

現状においては、かなり具体的なところまで進んでいるもの、念のために定款に加えておくということで、まだまだ手がついていないもの、もしくは、現在の環境においてはまだ着手しないほうが賢明であると考えているものもあり、それぞれの進捗にはかなり差があります。が、今期(平成18年3月期)の間に少なくともどれか一つは実現して、皆様にご報告できるようにしたいと考えております。

ソニーとの関係について。将来的なソニーの金融グループとの関係はどのようになるのか。

ソニー金融グループがどのようなビジネス展開を考えているかは、あくまで先方の問題です。当社の問題として、どのような金融グループあるいは金融機関等と連携していくかについて、ソニー株式会社が当社の大株主であるからといってソニーの関連会社と提携すべきとは考えていません。
当社としましては、今後の流動的なビジネス環境の中で、どういう会社と連携するのが、会社にとって、ひいては株主の方にとって最善であるかを是々非々でしっかりと検討して実行していきたいと考えています。ソニー金融グループとの関係は、他の金融機関等との関係と基本的に大きな違いはない、と考えています。

システム統合でコストが浮くとのことだが、他方で累損がなくなり来期から納税負担が発生する。また、東京証券取引所のシステム使用料も値上げされるとのことであり、それらを総合すると損益への影響はどのようになるのか。

ご指摘のとおり、販売費及び一般管理費は下がる傾向にありますが、一方で税金の負担が出てきます。実際にどのような数字になるか、現時点では詳細はわかりませんが、税金の負担とコスト削減は、イメージとして大体オフセットするような関係にあると考えていただいて良いと思います。将来的には、当然、税負担の方が大きくなってくるとは考えますが、その頃には、当社の収益全体が伸びている時だと思いますので、全体の絶対的な利益水準は上がってくるであろうと考えています。
東京証券取引所のシステムコストについては、当社が計算する限りでは、ほとんどインパクトはありません。そもそも東京証券取引所に支払っているシステム関連費用は、当社全体の販売費及び一般管理費に占める比率が極めて小さいので、仮にその部分が大幅に上がるようなことがあっても、会社全体のコストにはほとんど影響が出ないと考えております。

第6号議案に関連して、将来的にストックオプションを持って役員報酬を出すという検討はしたか。または、導入の予定があるか。

現状では考えていません。かつて傘下の証券子会社がストックオプションを発行したこともありますが、約1年前の経営統合の前にすべて解消しました。
これは、そのときそのときの会社の成長段階や社会環境等などによって、適切な報酬のあり方、社員・役員に対する動機付けのあり方は、変わってくるものであると考えるからです。
現状では、仕事の報酬は現金で支払う形の方がよいと考えており、その結果としてストックオプションについては検討しておりません。
ただし、今後の社会情勢等の変化等に合わせて、随時検討していくことになると考えます。

透明性を高めるためにも、率先して役員報酬の個別開示を行うべきと思うが、実施を検討しているか。

現状では、社内で役員報酬の個別開示についての議論は行われておりません。ただし一方で、そういう方向がわが国においてもだんだん言われ始めているのは事実だと思います。一般論で申し上げると、個別開示は意味のあることであり、米国等ではかなり開示が行われており、基本的な方向はそれが正しいのではないかと思っています。他方、わが国では個人の懐を公にすることへの抵抗感が強いことも事実であり、個別開示することが理由となって優秀な人材の役員就任を妨げることになれば、会社にとってもよいことではありません。
また、取締役は一体として経営にあたっているので、全体の金額が開示されていれば足りるという考え方もあると思います。この問題も今後の情勢等に合わせて検討していく内容ではないかと思いますが、個人的には、まだ少し早いのではないかと感じています。

東証一部上場の話が以前からあるが、その状況はどうなっているか。

東証一部に市場変更をしようということは、当社の強い意志であることは間違いありませんが、実際の時期については、最終的には東京証券取引所の審査の問題があるために、当社が決める問題ではありませんので、現状では具体的な時期についてのコメントは控えさせていただきます。当社として方向性は変わっていないとご理解ください。

マネックス・ビーンズ証券の顧客でもあるが、手数料体系が分かりづらく、同業他社と比較しても競争力がない。これが理由で、客離れを起こし、業績に影響があるのではないか。

手数料体系については、まさに我々も常日頃から考えている点で、この手数料体系を今後も変えないということは決してありません。お客様のご意見等も聞きながら、今後もしっかりと検討して、よりわかりやすくお客様にアピールできる手数料体系を考えていきます。

指値注文と成行注文の手数料に差があることと、手数料体系に約定代金×○%という計算が入っていることが、顧客にとってはわかりづらい。致命的な欠陥であり、絶対に変えるべきである。

しっかりと拝聴いたしましたので、今後考えていきたいと思います。

証券子会社の利益をどういったルール、形で持株会社に上げるのか。

まず考えなければならないのは、最終的にMBHの株主である方々に、グループ全体の利益からどれくらい配当を支払うべきかということです子会社ごとに考えるのではなくて、グループ全体としていくら利益があって、いくらの投資の必要があって、その上でいくら配当を支払うべきかということを検討して決めたうえで、全体として子会社から親会社への配当額を決めるというプロセスを取っていきたいと考えています。

持株会社自体は、システム投資等は行わないと思うが、内部留保はどれくらい必要か目安はあるか。

今後についてはわかりませんが、現状においては、持株会社に関して大きな内部留保をする必要はないと考えています。もし内部留保を持つならば、実際に大きなオペレーションをしている証券子会社等に持つ方が効率的であると考えていますが、これも、例えば持株会社に内部留保を持って資金調達を行った方が有利であるとか、そのようにいろいろと事情が変わってくることがあろうと思いますので、それに応じて方針を変更する可能性はあります。

株主総会と株主懇談会の順番だが、株主懇談会で経営方針を説明した後で株主総会の議決をしたほうがよいのではないか。

今まで考えたことがありませんでしたが、検討に値するご提案だと思います。ただし、株主総会は株式会社として通常年1回開催される重要な商法上の機関であり、まずそこで必要な承認を得るべきとの要請もあって、そうした点で当社に限らず多くの会社が株主総会、株主懇談会といった順序を取っていると思います。
また、株主懇談会に出席できない株主もいらっしゃいますので、株主懇談会の場で初めての情報が開示されるようなことのないように、通常の四半期毎の決算発表や情報開示などのIRの中で経営方針等をお知らせしておくのが、本来のあるべき姿であり、もっと情報の開示を充実させていきたいと考えています。

昨今、株式分割が流行りだが、やらないでほしい。

将来はわからないが、現状において株式分割は考えておりません。一般論として、株式分割を行うべきタイミングというのは、配当を払っても払っても株価が上昇を続け、投資単位が大きくなり、新しく買う方が買いにくい水準になった場合であると考えています。

第6号議案について。変更後の取締役報酬額と監査役報酬額をそれぞれの人数で割ると、取締役が3百万円強、監査役が2百万円となるが、こう見ると取締役と監査役の報酬水準に差があり過ぎる。同じ役員の中で監査役の地位を低く見ているのではないのか。

常勤の役員数で考えますと、常勤の取締役はこの総会後で5名、監査役はグループ全体で見ると2名となり、あくまで上限の金額ですが、報酬額を常勤の人数で割ると、それほど大きな差はないとご理解いただけると思います。