マネックス証券 システム開発二部長 河内 玲さん
マネックス証券 システム開発二部 シニアマネジャー 第二プロダクトグループ長 野﨑 麻紀子さん
マネックス証券 システム開発二部長 河内 玲さん
マネックス証券 システム開発二部 シニアマネジャー 第二プロダクトグループ長 野﨑 麻紀子さん

言語、文化、時差、開発方法…
さまざまな違いを乗り越えて

マネックス証券 × TradeStation システム部インタビュー

マネックス証券 × TradeStation

TradeStation社(以下、TS)がグループ会社になった当時から

お客さま向け投資情報「MONEX INSIGHT」のプロダクト管理を担当しているマネックス証券の野﨑麻紀子さんと、

がっぷり四つにTSと組んで開発を行うプロジェクトを推進していた河内玲さんにお話を伺いました。

コロナ前からのリモートワーク先進チーム

野﨑 「MONEX INSIGHT」の開発は、グループ会社になってすぐに始まったプロジェクトで、TSありきのサービスでした。リリースから10年が経ち、この4、5年はかなり成熟してきたなと思っています。TS側にもマネックス証券のシステム対応担当として、日本時間で勤務してくれているメンバーがいます。昔から多国籍なチームでしたが、今は約10カ国のメンバーが集まっています。社内のダイバーシティを体現しているのかもしれないですが、結果論なのであまり意識したことはありません。システムもコミュニケーションも、創意工夫でうまくいくものです。


お客さまのご要望がコンタクトセンターから上がってくるのですが、それを自動でキャッチしてSlackに連携して翻訳されて開発者も読める、というシステムを組んでいます。お客さまの声を直に開発者が言語の障害なく聞けるのはあまりないことで、今までお客さまの声をダイレクトに聞けていなかったメンバーが喜んでくれ、良い工夫だったなと思っています。


コロナ禍もありましたが、私たちのチームは日本と米国で仕事をしているので最初からリモートなのです。work from homeになってむしろやりやすくなった面もあります(笑)。より安定して、柔軟度が増しました。これもこのチームの強みです。

「米株信用サービス」開発で経験した大変さとリリース後のうれしさ

河内 2023年1月、米株信用サービスがスタートしました。一年半ほどのプロジェクトでした。いままではTSの仕組みを使って米国株取引の発注をしていたものを、日本で開発した米国株信用の仕組みをTSにリアルタイムでつなげて発注するという新しいアプローチでした。


大変だったのは、日本側のITベンダーとTSとマネックス証券の3社がいたことです。いままでの経験から、マネックス証券とTSだけでの開発であればお互いにある程度のことが想定できていたのですが、ITベンダーとTSの開発方法が違い、さらに英語と日本語の問題があり、小さな変更であってもマネックスを通じた通訳や対応方法の検討を挟んでしまうので時間がかかり、3社ともに参加メンバーがどんどん疲弊していきました。ITベンダーにはとても負担をかけてしまったなと思っています。結束力は高まったものの、本当に大変な総力戦で最後までハラハラし通しでした。リリース後は大きな問題はなく、きちんと開発できたことがうれしいです。この経験を通じて新たな知見が蓄積されたことは間違いありません。


日本では「いかに障害を起こさないか」を重視してシステム開発がなされます。一方アメリカではシステムやサービスの復旧までにかかる目標時間を示す指標であるRTO(Recovery Time Objective)が重視されています。この違いから、日本は成熟した技術を使って安全に開発することが多いのですが、TSはどんどん新しいものを取り入れようとする。彼らと仕事をするとそれを強く感じるので、可能な限りいろいろ取り入れていきたいです。