人材育成

マネックスグループにおける人材戦略の意義

企業を取り巻く環境が、不規則かつ不確実に大きく変化するVUCAの時代において、マネックスグループが持続的に企業価値を高めていくためには、当社の求める人材像を明確にし、事業成長に資する最適な人材ポートフォリオの構築や、イノベーションや付加価値を生み出す人材の確保・育成を通した組織の構築など、競争環境の変化に応じた人材戦略を策定することが不可欠です。
マネックスグループは、社員一人一人を収益を生み出す原動力(人的資本)として捉え、その出力を高めることが企業価値の最大化につながるという考えから、社員が習得する知識やスキル、および経験などの質を高める機会に対して、よりいっそう積極的に投資していきます。
具体的な人材戦略のフレーム(骨子)としては、生産性の高い組織を構築するために
①社員一人一人の能力を高めること
②社員一人一人の出力が最大化される環境を構築すること
③多様な人材の多様な働き方を受け入れ、自主性を活かし公正に評価される就労環境を整えること
に注力して取り組みます。さらに、事業戦略上重要な人材を機動的に採用することや適材適所の人材配置を可能とするために、部署・役職に必要なスキルや能力をマップ化することで、人材の過不足を適時に把握できる人材ポートフォリオを構築します。

人材育成と評価について

持続的な成長を実現するにあたり、次世代に向けた人材の育成と確保は重要なテーマです。

 

日本セグメントでは、人材育成を明確にするため、マネジメント層の評価において、業績評価にまして人材育成に重きを置いた評価制度を採用しています。マネジメントが次世代人材育成に対して重要な役割を担うことを明確にし、また次世代の従業員にとっても、マネジメントに対してキャリア形成に資する相談ができる体制、メンター制度導入により先輩社員による若手人材の指導・育成を目指していきます。

 

米国セグメントでは、採用活動において、DEIの原則を取り入れており、多様な候補者や学校への採用活動や、定期的なインターシッププログラム、採用後の報酬制度にまで及びます。報酬制度は、市場調査に基づき、対象者のスキルセット、職能レベルや在籍期間などを考慮して設計しています。人材育成においても、従業員が自身の労働価値を高めるため、学びの機会を積極的に活用できるよう教育制度を設計しています。また、完全リモート勤務や、ハイブリッド型勤務が可能な勤務体制の提供や、四半期ごとの従業員への表彰、および、従業員から定期的にヒアリングを実施するなど、労働環境の改善、向上を目的とした取組みも推進しています。さらに、お客様にとって価値あるサービスを提供するために26の価値観をまとめたTradeStation Fundamentalsを全従業員と共有するなど、ソフト、ハード面での制度設計がトレードステーションの基盤となっています。
 

 

働き方

働きやすい職場環境

企業の競争力を高めるためには、従業員が心身共に健康な状態であることが必要条件であるとの考えにより、健康保持・増進に向けた各種施策に取り組んでいます。マネックスグループにおいては、東京都が主催する「TOKYO働き方改革宣言企業」として2017年より働き方・休み方の向上に取り組んでいます。

 

働く場所や時間に関する制限を極力なくし、全ての従業員が公私生活の最良のバランスを実現することで業務効率や出力の最大化を図るため、2017年度からフレックスタイム制度を、2021年度から在宅勤務制度を導入しています。また、マネックス証券の東京オフィスでは、一部のフロアで固定席をなくし、自分の好きな席を選べる「フリーアドレス」を導入し、シームレスな労働環境をつくることで情報共有の機会が増加、ならびに部署・部門・役職を超えたコミュニケーションを促進させています。

TOKYO働き方改革宣言企業として、当社の働き方・休み方改革を推進し、2020年までに年次有給休暇取得率を70%に引き上げることを目標としています。

安全衛生推進体制

労働安全衛生法に基づき、人事部長、衛生管理者、産業医、一般社員で構成される衛生委員会を毎月一回開催しています。衛生委員会では、職場環境や健康に関する問題について
話し合い、派遣社員を含むグループ内で働くすべての社員が心身ともに健康に働けるよう配慮しています。

メンタルヘルスケア

グループの正社員・契約社員を対象に定期的にwebによる「ストレスチェック」を実施し、自らのストレスの状況について気付きを促すとともに、検査結果を集団的に分析し、職場環境の改善のための措置を実施し、医師と適切に連携を取りながら、メンタルヘルス不調の予防に努めています。

多様な就業スタイルへの対応

社員が日々高いモチベーションをもって業務に取り組むためには、各々が抱えている私生活とのバランスの充実が不可欠だと考えます。マネックスグループでは、従業員が仕事と家庭を両立して豊かな人生を送れるように育児休業・介護休業などの制度も整えており、産前産後休業後の復帰率は100%を維持しています。(育児休業取得実績は下表の通り)

 

育児休業取得実績

  女性 男性
年度 対象者 平均取得日数 対象者 平均取得日数
2015 0 0 1 3
2016 4 259 1 1
2017 6 274 7 53
2018 6 405 7 64
2019 2 396 8 43
2020 1 308 4 40
2021 1 308 3 6

 

フレックスタイム制度

日本セグメントでは、マネックス証券の証券基幹システム内製化に向けて開発人員を増やしていくにあたり、全従業員一律の定時出退社が一部の従業員には適用しにくくなりました。業務の状況に合わせて勤務時間を選択できることが、働きやすさ、および作業効率や労働生産性の向上につながるとの考えにより、2017年1月よりフレックスタイム制度を導入いたしました。また、その導入に伴い、所定労働時間を8時間から7時間30分に30分短縮いたしました。

短縮した時間を使って、自己研鑽や自己投資の時間として使う、家族と接する時間に充てるなど、限りある時間を有効に使う意識づけをすることを目的としています。フレックスタイム制度の導入後は、育児をする家庭の従業員においては出社の自由度が増したことや、出社時刻をずらすことで通勤する際の心に余裕ができ、結果、業務効率化が図れるなど効果が現れており、労働生産性が高まりつつあります。

米国セグメントでは、本社のフロリダやコスタリカオフィスにおいて、業務の効率を重視した働き方を実現するため、フレックス制度を導入しています。

出産・子育てのサポート

くるみん

マネックスグループでは、女性の産前産後休業後の職場復帰を支援する環境や体制の整備に努めており、これまで当該休業を取得した女性役員・社員の職場復帰率は100%です。また、マネックスグループは、2017年に子育てサポート企業として厚生労働大臣から認定を受けました。

組織エンゲージメント

当社は、従業員と対話を通して向き合う機会を持つことにより、すべての従業員が企業理念に共感し、組織や仕事に対して自発的な貢献意欲を持ち、自走して組織改善に参画する風土を醸成することを目指します。また、人的資本を定量化する試みとして、「人間関係」、「自己成長の機会」、「理念への共感」等の深度を計測し、組織の強みと弱みを見える化する目的で組織エンゲージメントサーベイを実施する予定です。

ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DEI)

当社の考え方

当社グループが持続可能な成長を果たすためには、人材に対して高い品質のDEI(ダイバーシティ(多様性)、エクイティ(公平性)&インクルージョン(包摂性))が実現した環境や文化が組織に根付いていることが重要だと考えています。多様な属性を持つお客様のご要望に応えるために、当社グループ自身が多様な属性の人材構成およびリーダーシップの体制を備えることは、競争力の源泉になります。そして、多様性のみならず、公平性、包摂性について取り組むことが既存事業の推進だけでなく、新規事業を生み出すイノベーションの源泉になると考えています。当社グループの人材戦略についても、性別、年齢や国籍などによらず、企業価値への貢献度を唯一の評価基準として管理職および中核人材の登用を続けることにより、多様性を伴った組織体制を構築しています。

 

今後は「多様性を認める(ダイバーシティ)」だけにとどまらず、さらに「一員として受け入れ公平性を担保する(エクイティ)」ことや、「活躍できる環境をつくる(インクルージョン)」ことが機能する就労環境を目指し、様々な価値観と個性を持つ個人が最大限に能力を発揮できる、健全な競争環境が整った職場環境の構築に注力します。

 

具体的な取り組み

グループ全体の取組みとして、2021年11月に日本、米国、アジア・パシフィック、クリプトアセット事業の4つのセグメントの人事担当者、DEI推進担当者からなるDEIグローバルステアリンググループを発足しました。各社の人材の能力を十分発揮させるため、四半期ごとに開催するグループにおける報告会で各社に様々な課題への取り組みをグループ内で共有することで、ノウハウを蓄積し、各社のDEI推進の一助とすることを目的としています。

 

日本セグメントにおいては、国籍、年代、経験に多様性のある人材が集う組織であることがとても重要だと捉えています。国籍におけるダイバーシティは、日本を含むアジア圏、北米、欧州などの広範囲に及ぶさまざまな国籍を持つ従業員が活躍しています。また、従業員の個性を最大限発揮できる組織風土を醸成するため、社内のインターナルコミュニケーション活動においても、ファミリーデーやバーベキューを開催し、家族に対してマネックスをもっと知ってもらうことで従業員の仕事に対するモチベーションの向上を図っています。

 

2021年度以降、日本拠点の全従業員を対象にしたDEI研修を定期的に実施しており、多くの従業員がDEIの概念や自分たちが普段どのような意識を持ち、行動すればよいかを学べる講義を行っています。 

 

米国セグメントでは、雇用機会の平等を方針とした人事制度設計をしています。例えば、採用/異動/昇進/退職/研修において、人種/宗教/性別/出身/年齢/妊娠/ハンディキャップ/兵役経験/配偶者の有無などの考慮を一切せずに人事機会を提供することを徹底しています。また、DEIカウンシルを設立し、経営層と従業員で組成したコミュニティを通じて、多様性を確立するための環境整備や、あらゆる機会均等を促進することでトレードステーショングループのDEIを推進しています。さらに、DEI関連の好事例を共有し合い、情報交換を行うイベント(LGBTQ+、Woman in Fintech)への参加や、黒人の就労支援を行うNPO団体である、Black Professionals Networkでの求人票の掲載など、現地のコミュニティと積極的に取組みを進めています。

ダイバーシティと具体的な取り組みについて

従業員とその家族が当社オフィスに集まり、従業員の家族に仕事を理解してもらうイベントを開催しました。

2021年度DEI研修実績

研修名 内容 参加者
DEI社内研修KickOff DEIの定義、当社の取組み 207
クライアントサービスとDEI 他社事例、TheValuable500、ウェブアクセシビリティ 82
採用、協働の場面から考えるDEI なぜ今DEIなのか、Equityの課題を踏まえた当事者との向き合い方 159

ジェンダーに関する取り組み

日本セグメント(マネックスグループ株式会社、マネックス証券株式会社)では、性差を考慮しない賃金制度により、男女間賃金の公平性を目指し、多様な人材の確保に努めています。

 

平均年俸男女比※ 女性 男性
非管理職 89% 100%
管理職 98% 100%

※2020年7月-2021年6月の予定年俸、2020年7月末の従業員数にて算出
 (参考値)令和元年賃金構造基本統計調査(厚生労働省) 女性74% 男性100%

 

マイノリティに関する取り組み

LGBT

2016年4月に社内就業規則を改定して“配偶者”の概念を拡張し、事実婚でも結婚休暇や結婚祝い金を得られる制度に変更したほか、LGBTカップルのお客さまに向けたサービスを新たに開発するなど、事業を通して多様性のある社会の実現に貢献しています。

 

マネックスグループおよびグループ会社のマネックス証券(以下、「両社」)は、企業や団体においてLGBTに関するダイバーシティー・マネジメントの促進と定着を支援する任意団体work with Prideが策定する、職場におけるLGBTに関する取り組みの評価指標「PRIDE指標2022」において、両社共に、「シルバー」を受賞しました。

また、両社は、は昨年度まで3年連続で「ゴールド」をダブル受賞していましたが、本年「シルバー」の受賞となったのは、評価指標の1つである「社会貢献・渉外活動」における取組みが課題であると認識しております。年間スポンサーを決定した一般社団法人MASHING UP※の活動への参画やLGBTQ+へのサポートを通じた社会におけるDEIの浸透など、引き続き課題に取組んでまいります。

※一般社団法人MASHING UPについて(https://mashingup.org/)

また、株式会社 JobRainbow が策定する、 職場におけるダイバーシティ&インクルージョン(D&I)に関する取組み企業を認定するアワード、「D&I Award 2021」において、「Best Workplace for Diversity & Inclusion」認定を受賞しました。

 

LGBTをテーマとした証券サービスの取り組み

「パートナー口座」開発ストーリー
LGBTをテーマにした社内コンペを通じて、 ダイバーシティに対する考えを表明

 

「パートナー口座」は、法律婚ではないカップルのお客さまを対象に、2人が同じ口座で貯蓄でき、2人が利用するクレジットカードの引落先口座に同一口座を指定できる主要オンライン証券初のサービスです。このサービスのアイディアが生まれたのは、2017年からマネックス証券が新たに始めた社内コンペ「EDISON」がきっかけでした。当時、社内では研修等を通じてLGBTへの理解促進が図られ、LGBTフレンドリーな空気を社会につくっていくことが重要だという認識が高まっていました。そこで「EDISON」の初回テーマにLGBTが設定され、新規事業コンテストが開催されたのです。LGBTカップルは法律婚夫婦に比べて不便だと感じる場面が多々あると感じたチームが、そういった状況を改善するために、一金融機関として何ができるのかを考えてこの「パートナー口座」を立案。他社がまだ展開していないサービスであること、自社のインフラを使ってすぐに始められるサービスであること、そして社会的にも意義ある取り組みであることが採択の決め手になりました。このサービスを通して、世の中がもっとLGBT ALLY(LGBTの良き理解者・支援者)になれば幸いです。

障がい者

The Valuable 500への参加

マネックスグループは、「多様性は創造力の源泉である」と考えています。障がい者の活躍推進に取り組む世界的なムーブメント「The Valuable 500」は、当社グループの理念およびESG/サステナビリティに関する考えと共通しており、国連が提唱する「持続可能な開発目標(SDGs)」の地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」という考えにも沿う活動であると判断し、2021年1月19日付で参加しました。
今後、障がい者のインクルージョンについて、下記の項目を中心に一層の取り組みを図り、その進捗をアジェンダとしてマネックスグループ取締役会にて報告、協議していきます。

 

  1. 障がいのあるお客様への配慮
    ・金融サービスへのアクセス向上:障がいのあるお客様へのアクセス向上が可能な技術革新への研究投資
    ・金融リテラシーの向上:障がいのあるお客様が投資教育を受けられるための技術革新への研究投資
  2. 障がいのある方の雇用の推進と職場環境改善
    ・障がいのある方が、その障がい特性に添った形で活躍できるよう、業務内容や勤務体系への 工夫の更なる改善
    ・在宅勤務、リモート勤務の更なる活用
  3. 障がいのある方のバリアを取り除く、あるいは障がいのある方へのビジネス機会を増やすための資金活用などの間接的な活動
    ・障がいのある方へのサポートを行っている団体(NPO・企業)への資金提供(寄付、投資)
  4. 社内外への活動
    ・上記活動に関する社外への発信
    ・社内におけるeラーニングなどでの障がいのある方に対するインクルージョンを含む、「ダイバーシティ、エクイ ティ&インクルージョン」研修の継続