企業倫理・コンプライアンスに関する考え方

企業は、ひとりひとりの市民と同じように、社会の構成員であり、社会に対する責任を負っています。マネックスグループ株式会社(以下、「当社」)は、倫理的な行動を追求し、コンプライアンス(法令遵守)体制を維持しつつ、経営・事業活動を行っていきます。それは、法令等を遵守し、社会倫理に従って行動するという公共的観点からだけではなく、当社及びグループ内各社(以下、総称して「当社グループ」)のお客様や事業に関係する方々から長期的に安定した信頼をいただくためにも重要であるとともに、ひいては、当社グループの企業価値を向上していくためにも、極めて重要であると認識しているからです。

 

上記の考え方に基づき、当社グループは、事業活動を展開していくにあたり、マネックスグループ行動規範に基づき、役員及び従業員(名称の如何に関わらず当社グループの業務に従事する者の全てを含む。以下、総称して「役職員」)が遵守すべき具体的な行動指針として「企業倫理・コンプライアンス行動指針」を定め、世界中の全当社グループの役職員に示しています。

 

当社グループの役職員が業務を遂行するにあたり、関係諸法令・諸規則及び「企業倫理・コンプライアンス行動指針」を厳格に遵守することは言うまでもありません。また役職員ひとりひとりが生活する地域社会において、よき市民として法令規則を遵守することも当然です。さらに、当社グループの事業活動において個別具体的な様々な事案を判断・実行するにあたっては、社会公共の利益を常に念頭に置き、倫理的な行動により適切に行わなくてはなりません。当社グループは、以上のことをより確実にし、かつ、継続して実行するための当社グループ全体にわたる体制整備や役職員のモラルの維持向上のため、不断の努力をいたします。
 

企業倫理・コンプライアンス管理体制

当社は、グループ各社において法令遵守を徹底するための体制として、倫理・コンプライアンス活動はそれぞれ管轄する専任チームが年間計画を策定し、それに従って活動を展開しています。グループ各社の責任者は役員が務め、グループの専任チームに連携し、専任チームの執行役がグループのCEOや取締役会に直接報告を取る体制が敷かれています。


当社は、倫理面での具体的な行動基準を示した「企業倫理・コンプライアンスに関する行動指針」を策定し、この指針の遵守を役員や従業員に求めています。また、当社は腐敗防止のための社内規程である贈答供応管理規程を制定し、贈答・供応の定義や債務負担、金銭等提供、貸与などの禁止行為を定め、贈答・供応の提供および受領の取扱いにおける社内手続きを明確化し、違反の可能性がある場合は速やかに内部統制担当執行役宛てに報告又は通報するものとしています。

 

<贈答供応管理規程(一部抜粋)>
・贈答・供応の定義等
・贈答・供応の提供の取扱い
・贈答・供応の受領の取扱い
・調査、是正

 

高いコンプライアンス意識を持つよう、腐敗防止研修を含むコンプライアンス研修を役員および派遣社員などのパートタイム人員を含む従業員に対して定期的に実施することを通して繰り返し意識付けを図っています。この他、日本拠点においては、複数のグループ会社を対象に毎月開催される全社向け会議体においてコンプライアンスに関する最新の情報共有を行うなど、意識付けを高めています。

 

腐敗防止を含むコンプライアンスの状況については毎月取締役会に報告され、取締役会による監督が行われています。また、内部監査の対象範囲は、倫理基準や腐敗防止方針を含む全業務を対象にして、リスク評価を行った上で決定しています。結果として、当社では、過去2年間にわたり腐敗防止態勢を対象に監査を実施している他、主要グループ各社においても、3年に一度を目安とした監査を実施しています。

 

 

当社は、コンプライアンス違反はもとより、労働者の人権侵害その他労務問題を含む、当社グループの企業価値を毀損する恐れのある行為の早期発見および未然防止を目的とした内部通報・相談(以下「内部通報等」)制度を設置しており、制度の意義と重要性についてCEOが自ら年に一度メッセージをグループ各社の全ての従業員を対象に発信しています。内部通報等の内容および相談者のプライバシーの保護に関する秘密保持のルールがあり、社内で周知されています。内部通報等の窓口は、制度の公正性を重視する観点から、現地の言語で、かつ匿名で内部通報等を行うことができる、監査委員会委員長を宛先とする窓口のほか、独立した外部法律事務所を窓口として指定しています。電子メールを使うことにより、これら窓口に宛てて24時間365日いつでも内部通報等の連絡をすることが可能です。また、内部通報者が内部通報等を行ったことを理由として、解雇および降格、減給その他の不利益な取扱いは禁止されています。このように、当社は、内部通報等の利用者に対し公益通報者保護法に準じた保護を保証しています。
 
内部通報等が受理されると、監査委員会委員長が事案に応じて、調査責任者を指名し、事実関係を調査します。通報者本人に対して、調査結果や是正措置等の対応について伝える仕組みとなっています。また、当社が設置する窓口宛の内部通報等の対応状況は、当社取締役会に報告される仕組みとなっており、取締役会による監督を受けています。

 

【2022年度の実績】
・マネックスグループ人権方針違反の事案:なし
・法令諸規則や社内方針の違反事案の件数:2件
・「内部通報・相談窓口」への総件数:10件

※対象会社:マネックスグループ株式会社、マネックス証券株式会社、コインチェック株式会社、TradeStationグループ各社
(以上により、グループ従業員の9割超をカバー)

腐敗・贈収賄の防止について

当社は腐敗・贈収賄の防止を目指し、当社グループの役職員を対象とした「企業倫理・コンプライアンスに関する行動指針」を規定しています。当社では、それに基づく贈答・供応に関する行動指針として、「贈答供応管理規程」を制定しています。これは当社の役職員が、当社の外部者との取引に対し厳正独立な立場での判断を行うとともに、それら外部者との利益相反の排除を行うことを目的としており、当社の役員・従業員がその趣旨を正しく理解し遵守すべきことを規定しています。

 

当社の役職員は、公務員及び公務員に準ずる者(以下、「公務員等」)との間における贈答・供応について、「贈答供応管理規程」において明確に禁止されており、また、当社グループの役職員は「企業倫理・コンプライアンスに関する行動指針」において、公務員等に対して不正な利益を得るための賄賂を供与、申し込み又は約束してはならず、取引先等と不適切な関係を有してはならないとされています。また政治献金などを行う場合には、適法かつ適切なものとして行われるように注意を払います。

 

当社グループの役職員は、いかなる者に対しても、個人的な利得または便益の獲得、その他不正な利益を得ることを目的として、直接または間接に、金銭、接待、贈答品、娯楽、その他利益(キックバックを含む)の提供を要求せず、過剰な接待や贈答は受けません。ただし、当該行為がその国または地域における法律または規則、当社の規則、および贈答・供応が頻度及び価値において社会通念上相当なものである場合はこの限りではないものとします。

 

当社グループの企業理念や行動規範に反する行為とともに、マネー・ローンダリング及びテロ資金供与、腐敗・贈収賄、人権問題(ハラスメントを含む)等を含む法令違反の疑いのある行為についても、匿名でも利用可能な「内部通報・相談窓口」による通報の対象としています。また、こうした腐敗・贈収賄の防止にかかる内部統制に対し、内部監査部門は、設計の有効性及び運用の妥当性の観点から調査及び評価を定期的に行い、取締役会に報告し、その結果にもとづいて規定の更新、業務改善の勧告や提言等を行っています。贈収賄および腐敗行為の防止に対する姿勢を明確にするために、当社グループの役職員全ての行動指針となる「マネックスグループ行動規範」のなかで、贈収賄や汚職の排除に努めるなど、あらゆる腐敗行為や犯罪行為の防止と排除に取組むことを明記しています。さらに行動規範は、当社グループ役職員全員に配布するNewsletterに掲載して、グループ全体に周知しています。

 

【2022年度の実績】
・政治献金:なし
・腐敗・贈収賄の防止方針違反事案の件数:なし
・腐敗・贈収賄の防止方針違反により懲罰または解雇された従業員数:なし
・腐敗・贈収賄に関連した罰金、課徴金、または和解金の金額:0円

 

マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策

当社グループでは、マネー・ローンダリング及びテロ資金供与(以下、「マネロン・テロ資金供与」)に対して健全な金融システムを維持していくため、「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関する規程(以下、「マネロン・テロ資金供与対策規程」)」および「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関する法令等遵守方針(以下、「法令遵守方針」)」を策定して、グループ全体におけるマネロン・テロ資金供与対策を進めています。

マネロン・テロ資金供与対策規程および法令等遵守方針に基づき、当社のマネロン・テロ資金供与対策に係る責任者(以下、「マネロン等対策責任者」)は、四半期毎に開催のグローバル拠点のメンバーが参加するInternal Control Committeeにおいて、各グループ会社のマネロン・テロ資金供与に関するリスク管理を統括する部門(海外グループ会社について中間持株会社がある場合は、中間持株会社を通じて)からマネロン・テロ資金供与対策の状況の報告を受け、また、3か月に一度をめどに、国内主要グループ会社におけるマネロン・資金供与対策の責任者との間で情報共有を行い、当社取締役会においてその管理状況を報告しています。

 

上記に加え、マネロン等対策責任者は、毎月、各グループ会社からマネロン・テロ資金供与対策の状況の報告を受け、また国内主要グループ会社において開催されるコンプライアンス会議に出席し、マネロン・テロ資金供与対策に係る課題の把握と対応に万全を期しています。

 

また、当社グループのマネロン・テロ資金供与に関するリスク管理については、各社・各関係部門におけるリスクに見合った対策を講じるリスクベースアプローチの適用により、三つの防衛線による管理態勢、リスクの特定・評価、リスク低減措置及び報告態勢を管理し、堅牢なマネロン・テロ資金供与リスク管理態勢を構築・維持していきます。

 

マネロン・テロ資金供与対策体制

これらの方針および態勢を実効性をもって維持するため、当社グループの日本拠点においては、定期的にマネロン・テロ資金供与に関する研修を行うとともに、汚職や腐敗・贈収賄防止の防止を目的とした社内研修を実施しました。海外子会社においても、ガバナンス、腐敗・贈収賄防止、マネロン・テロ資金供与に関する研修を定期的に実施しています。当社グループは、証券業だけでなく暗号資産交換業、投資事業等を日本、米国、アジアパシフィックにおいて展開しているため、当社会議体及び当社への定期の報告において重要な法改正等についての情報を共有しています。