取締役会の実効性評価について
全取締役に対し実施する取締役会評価にかかるアンケートの集計結果をもとに取締役会および指名委員会において取締役会全体としての実効性について分析および評価を行っています。
2018年6月開催の当社定時株主総会に提出した取締役選任議案の内容を決定するにあたり、2017年12月下旬~2018年1月上旬にかけて全取締役に対し取締役会評価にかかるアンケートを実施し、その集計結果をもとに2018年1月開催の取締役会および指名委員会で取締役会全体の実効性についての分析および評価を行いました。その結果の概要は下のとおりです。
- 分析および評価の結果
取締役会の規模(11名。うち独立社外取締役6名)にかかる問題は認識されず、各取締役の知識・経験の多様性についても特段の問題は認識されませんでした。
一方で、当社グループをとりまく環境に照らし、独立社外取締役の比率を引き上げることが好ましいとの評価になりました。
- 実効性向上に向けた取り組み
以上の評価結果を受け、指名委員会は、本定時株主総会に選任を付議する取締役候補者について、独立社外取締役候補者を現行6名と同数としつつ も執行役を兼任する取締役候補者を現行5名から2名減の3名とすることで、取締役会に占める独立社外取締役候補者の割合を現行の過半数から三分の二に引き上げました。
役員の報酬制度について
当社は指名委員会等設置会社であり、取締役および執行役の報酬等については、社外取締役を委員長とする報酬委員会が報酬等の内容に係る決定に関する方針および個人別の具体的な報酬等を決定しています。
この方針においては、執行役を兼務しない取締役は業務執行から独立した立場にあり、経営の監督機能を重視するため、取締役の報酬等は、職責に応じた固定報酬からなる基本報酬のみとしています。
一方、執行役を兼務する取締役、および執行役の報酬等は、基本報酬、短期インセンティブ報酬および中長期インセンティブ報酬によって構成しています。
基本報酬は、一律の固定報酬に、役職に応じた一定の金額等を加算した金額としています。短期インセンティブ報酬は、単年度の業績向上に対するインセンティブとして、会社業績に応じて決定された役員賞与総額を各役員の職責および業績に対する貢献度等に従って配分した金額としています。中長期インセンティブ報酬は、中長期の企業価値向上に対するインセンティブとして、各役員に譲渡制限付株式(いわゆる「リストリクテッド・ストック」)を割当てます。(※)
中長期インセンティブ報酬については、コーポレートガバナンス・コードにおける、経営陣の報酬について中長期的な会社の業績等を反映させたインセンティブへの要請に応えること、そして、本制度のような一定期間譲渡が制限される株式報酬を報酬制度に組み込むことにより、対象役員が株価の変動について株主と意識を共有することにより、役員の企業価値向上への継続的かつ中長期でのコミットメントを強化することができると考えています。
※ 日本国外に居住する役員の中長期インセンティブ報酬については各国の法制度に照らし、譲渡制限付株式の割当てに代え、同等の効果が期待できると想定される複数事業年度にわたり按分されるファントムストックを配賦して当社株式の基準株価から算出した金額を支給。
執行役兼務取締役・執行役の報酬体系(平均)
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取締役の選任理由
経験・専門性について
高い倫理観、職責に対する十分な理解などの指名方針に基づき、経験・専門性の一つ、または複数を有することを取締役の資質として定めています。


社内取締役選任理由
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社外取締役選任理由・出席状況
氏名 | 役職の状況 | 選任理由 | 2018年3月期 出席状況 |
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槇 原 純 ※1 |
独立役員 取締役、 報酬委員会委員長、 指名委員会委員、 筆頭独立社外取締役 |
日米において長年投資銀行ビジネスやインターネット関連企業の育成に携わり、高度な金融知識をはじめインターネット事業および金融事業に対する深い理解を有しております。2006年6月に当社の取締役に就任以来、国内外の金融業界の状況も踏まえながら多くの提言を行っております。 2015年4月に筆頭独立社外取締役に選ばれて以降は、取締役会での積極的な発言に加え、社外取締役とCEOのみが出席する会議を主催するなど、社外取締役と経営陣の円滑な意思疎通の促進に貢献しています。 |
取締役会 9/10回 指名委員会 3回/3回 報酬委員会 7回/7回 |
出井 伸之 | 独立役員 取締役、 指名委員会委員長、 報酬委員会委員 |
長年にわたりグローバル企業の経営を担い、また、国内外の幅広い人的ネットワークやインターネット事業への深い造詣を活かして次世代のビジネスやリーダーの創出に積極的に携わっています。 2013年6月の当社取締役就任以来、国内外の新規ビジネスに関わる幅広い知識や経験を活かし、取締役会において当社経営に資する積極的な提言を行っています。 |
取締役会 10/10回 指名委員会 3回/3回 報酬委員会 7回/7回 |
石黒 不二代 | 独立役員 取締役、 指名委員会委員 |
特にデジタルマーケティング分野の造詣が深く、また、現役の上場企業経営者として長年にわたる企業経営の経験を有しています。2014年 6月の当社取締役就任以来、デジタル化が進む環境下における顧客サービスのあり方など、その知見を活かし将来をも見据えた積極的な提言を取締役会で行っています。 | 取締役会 10/10回 指名委員会 3回/3回 |
堂前 宣夫 | 独立役員 取締役、 指名委員会委員、 監査委員会委員 |
国内外においてオンラインとリアルの両側面から一般消費者向けに小売事業を展開し成長させた経験を有し、加えてグローバルな組織・業務システムや内部管理態勢の構築に関わる深い経験を有しています。2016年6月に当社の取締役に就任して以来、事業の成長機会追求とリスク管理の両面から積極的な発言を取締役会で行っています。 | 取締役会 10/10回 指名委員会 3回/3回 監査委員会 8回/8回※2 |
小泉 正明 | 独立役員 取締役 監査委員会委員長 |
公認会計士資格を有する財務会計の専門家です。同氏の金融機関を含む企業の会計監査業務の経験や企業の上場に関わる実務に携わった長年の経験は、当社の取締役会におけるガバナンス機能の向上につながるものと指名委員会において判断しました。 | ─ |
金野 志保 | 独立役員 取締役 監査委員会委員 |
弁護士資格を有する法律の専門家です。同氏は企業の業務執行にあたった直接の経験は有しておりませんが、数多くの上場企業の社外役員としての経験を有し、加えて、弁護士業務を通じてコーポレート・ガバナンスに関わる深い知識を有していることから、当社の取締役としての職務を適切に遂行することができるものと指名委員会において判断しました。 | ─ |
※ 1 社外取締役・独立役員の互選により、2015年4月より筆頭独立社外取締役に指名されています。
※ 2 監査委員会の出席状況は監査委員就任(2017年6月24日)後の回数を記載
執行役選任理由
現任の各執行役のうち、岡本氏および萬代氏は2019年12月1日に、その他の執行役は2019年6月22日に選任されていますが、選任時における選任についての説明は以下の通りです。
氏名 | 選任理由 |
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松本大 (代表執行役) |
2004年8月の当社設立以来、当社社長として当社グループ事業の成長・拡大を牽引し、海外事業展開、クリプトアセット事業進出への道筋をつけてきた。リーダーとしての統率力、変化を受容する力に優れており、当社グループが「第二の創業」を果たすうえで、代表執行役社長CEOとして引き続き当社グループの経営執行の中核を担うことが適切と判断された。 |
清明祐子 (常務執行役) |
企画担当として、コインチェックのグループ入りを実現させた。現在はマネックス証券の副社長執行役員として同社の営業および管理部門を統括するとともに、マネックス・セゾン・バンガードの事業を軌道に乗せるべく尽力中であり、継続してその職責を果たすことが当社グループにとり重要と判断された。 |
勝屋敏彦 (常務執行役) |
マネックス証券の社長として経営実績を積み、現在はコインチェックの社長として同社の仮想通貨交換業登録の実現・事業再開に向けて取り組んでいる。クリプトアセット事業を軌道に乗せるために重要な役割を担っており、引き続きその任にあたることが適切と判断された。 |
蓮尾聡 (執行役) |
外資系を含む長年の金融バックグラウンドおよびマネックス証券における商品開発部門、コールセンターを含む営業部門、経理財務部門など多岐にわたる業務経験に基づく知見を活かし、CFOとしてグループ全体の経営管理およびリスク管理を担っている。当社グループの事業環境が大きく変わる中、継続してその職責を果たすことが好ましいと判断された。 |
兼子公範 (執行役) |
証券系のシステムに精通し、マネックス証券の副社長として同社の取引基幹システムの開発・運用の中核を担っている。異業種からの証券事業参入が相次ぐ難しい事業環境下で、長年の証券ビジネスにおける経験を活かして、引き続きマネックス証券の収益拡大にあたることが適切と判断された。 |
大八木崇史 (執行役) |
TradeStation事業の担当として尽力し、黒字化基調への転換を実現した。米国事業の収益力強化およびクリプトアセット事業をはじめとする新しい金融ビジネスへの取り組みをすすめる上で、戦略担当オフィサーとしてその任にあたることが適切と判断された。 |
ジョン・バートルマン (執行役) |
TradeStationグループのトップとして、人員削減の難局に対処しながらも強いリーダーシップを発揮して経営を立て直し、黒字化基調への転換を実現した。TradeStation事業を大きな収益源とするために引き続きその任にあたることが適切と判断された。 |
桑島正治 (執行役) |
システム面に明るいだけでなく、日興コーディアルグループの危機にあたっては同社代表執行役社長として手腕をふるい同社グループを立て直すなど経営執行の優れた実績がある。 2009年以降は当社およびマネックス証券の経営を担い、マネックス証券における基幹システム内製化を実現させた。仮想通貨ビジネスも加わりグループ全体におけるセキュリティ対策が一層重要になる中、引き続き執行役としてその職責を果たすことが適切と判断された。 |
岡本雅之 (執行役) |
弁護士として 長年の経験があり、これまで様々なクロスボーダーの金融取引や外国法人に対する日本の法規制に関するアドバイスを手がけている。金融子会社を複数持つホールディングカンパニーの当社において、グローバルに企業法務を統括する(ゼネラルカウンセル)ために必要不可欠な人材であり、CAOとして執行役の任に就かせることが適切と判断された。 |
萬代克樹 (執行役) |
当社グループの中核であるマネックス証券において、長年商品開発部門を担当し、様々な新商品、サービスの提供を通じて、マネックス証券の収益向上に貢献している。ブロックチェーンやAI等テクノロジーを活用して従来の枠組みを超えた新しい金融商品を提供できる可能性が広がる中で、革新的なサービスを提供するにあたって必要不可欠な人材であり、執行役の任に就かせることが適切と判断された。 |
アドバイザリーボード
(※2013年5月開催の第52回をもって終了)
当社は、マネックス証券当時の1999年12月から2013年5月までの約13年半、52回にわたり、大所高所の立場から、バランスのとれた多面的・中立的な意見・提言や、当社グループ全体の事業運営に資する幅広いアドバイスを得ることを目的として、毎四半期に一度、有識者で構成されるアドバイザリーボードを開催してまいりました。
当社が2013年6月に委員会設置会社に移行したことに伴い、アドバイザリーボードはその役割を終えたと判断し、開催を終了することといたしました。
第3回(2000年5月開催)から第52回(2013年5月)までの各回の参加委員および主な議題を掲載しております。