取締役会の実効性評価について

全取締役に対し実施する取締役会評価にかかるアンケートの集計結果をもとに、取締役会および指名委員会において取締役会全体としての実効性について分析および評価を行っています。

 

2022年6月開催の当社定時株主総会に上程した取締役選任議案の内容決定の準備のため、2021年 9月上旬~2021年10月上旬にかけて全取締役に対し取締役会評価にかかるアンケートを実施し、その集計結果をもとに2021年10月開催の取締役 会および指名委員会で取締役会全体の実効性についての分析および評価を行いました。その結果の概要は以下のとおりです。 
 

分析および評価の結果

取締役会の実効性、各委員会の構成・実効性に関する問題は認識されませんでした。取締役会の規模や社内外バランス(11名。うち独立社外 取締役7名)にかかる問題については、過去の取締役会や指名委員会での議論も踏まえて、社内外バランスは現状のままがよいが、取締役会の 定員は9名程度が望ましいとの意見がありました。一方、各取締役の知識、経験、世代などの多様性については、フィンテック、暗号資産、資産運 用、投資銀行など金融関連の知識や知見、子会社でのグローバル化の加速による英語力や海外経験、女性の登用、などが必要との認識が共有 されました。また、コーポレート・ガバナンス上、重要な問題であるサクセッションプランの観点を踏まえ、次世代経営執行層の属性を考慮した取締 役会の世代交代や社外取締役の入れ替えを検討すべきとの意見がありました。(※上記は2021年10月26日取締役会にて報告した内容となります)
 

役員の報酬制度について

当社は指名委員会等設置会社であり、取締役および執行役の報酬等については、社外取締役を委員長とする報酬委員会が報酬等の内容に係る決定に関する方針および個人別の具体的な報酬等を決定しています。
 
この方針においては、執行役を兼務する取締役、および執行役の報酬等は、基本報酬、短期インセンティブ報酬、および非金銭報酬である中長期インセンティブ報酬によって構成しています。

なお、執行役を兼務しない取締役の報酬等は従来、経営の監督機能を重視するため、職責に応じた固定報酬からなる基本報酬のみとしていましたが、2021年7月12日より少数株主の利益代弁者として当社の株価に連動する報酬を付与することが妥当と判断し、基本報酬の一部を非金銭報酬(譲渡制限付株式)制度に移行することといたしました。


基本報酬は、一律の固定報酬に、役職に応じた一定の金額等を加算した金額としています。短期インセンティブ報酬は、単年度の業績向上に対するインセンティブとして、会社業績に応じて決定された役員賞与総額を各役員の職責および業績に対する貢献度等に従って配分した金額としています。中長期インセンティブ報酬は、中長期の企業価値向上に対するインセンティブとして、各役員に譲渡制限付株式(いわゆる「リストリクテッド・ストック」)を割当てます。(※)

中長期インセンティブ報酬については、コーポレートガバナンス・コードにおける、経営陣の報酬について中長期的な会社の業績等を反映させたインセンティブへの要請に応えること、そして、本制度のような一定期間譲渡が制限される株式報酬を報酬制度に組み込むことにより、対象役員が株価の変動について株主と意識を共有することにより、役員の企業価値向上への継続的かつ中長期でのコミットメントを強化することができると考えています。

※ 日本国外に居住する役員の中長期インセンティブ報酬については各国の法制度に照らし、譲渡制限付株式の割当てに代え、同等の効果が期待できると想定される複数事業年度にわたり按分されるファントムストックを配賦して当社株式の基準株価から算出した金額を支給。

執行役兼務取締役・執行役の報酬体系(平均)

基本報酬 固定報酬 報酬総額の約70%
短期
インセンティブ報酬
業績連動報酬 報酬総額の約30%
中長期
インセンティブ報酬
譲渡制限付株式報酬
(当社株価に連動)

取締役の選任理由

経験・専門性について

高い倫理観、職責に対する十分な理解などの指名方針に基づき、経験・専門性の一つ、または複数を有することを取締役の資質として定めています。

社内取締役選任理由

(役職と選任理由は2022年6月25日時点のものとなっています)

氏名 役職 選任理由
松本 大

取締役会議長
指名委員会委員
報酬委員会委員
代表執行役社長

チーフ・エグゼクティブ・オフィサー(CEO)

1999年にマネックス証券株式会社(当時)を創業して以来、日本における新しい金融ビジネス分野である個人向けオンライン証券ビジネスの創出・確立に注力し、当社グループ事業の発展を牽引してまいりました。金融事業に対する深い造詣は、取締役会における有意義で実質的な議論を支える役割を果たしており、また、その高い指導力とすぐれた経営能力を活かし、当社代表執行役社長CEOとして当社グループ事業の新たな成長のためのステージである「第二の創業」の推進を担っております。
清明 祐子

取締役
代表執行役

Co-チーフエグゼクティブ・オフィサー兼チーフ・フィナンシャル・オフィサー

当社グループの代表執行役Co-CEO兼CFOならびにマネックス証券株式会社代表取締役社長として、社内において強いリーダーシップにより日本国内のオンライン証券事業の経営執行を統括するとともに、当社グループの財務および経営管理において重責を担っております。従って取締役としての職務を適切に遂行することができるものと、指名委員会において判断しました。
大八木 崇史

取締役
執行役

1999年4月の株式会社マネックスの創業メンバーの1人であり、日米の金融業界における長年の経験をもとに、取締役としての責務を果たすと同時に当社執行役として戦略の立案および米国セグメント事業の運営を担っています。米国における金融業界の変化や新たな事業機会も見据えながら、取締役会において積極的な提言を行っています。
山田 尚史 取締役
執行役
機械学習・深層学習を主軸としたIT関連のBtoB企業を共同創業した経営者で、5期目にマザーズ上場を果たした起業家としての成功体験を有しています。ITベンチャー企業の取締役、技術担当役員(CTO)として経営に携わるとともに、知的財産の専門家(弁理士)として長い実務経験を持っています。起業家としての経験や30代という世代層からの観点、テクノロジーに関する深い見識に基づき、当社取締役会において適切な提言を行っています。

 

社外取締役選任理由・出席状況

氏名 役職 選任理由 2022年3月期
出席状況
槇原 純
※1
独立役員
取締役
報酬委員会委員長
指名委員会委員
筆頭独立社外取締役
日米において長年投資銀行ビジネスやインターネット関連企業の育成に携わり、高度な金融知識をはじめインターネット事業および金融事業に対する深い理解を有しております。2006年6月に当社の取締役に就任以来、国内外の金融業界の状況も踏まえながら多くの提言・助言を行っております。2015年4月に筆頭独立社外取締役に選ばれて以降は、取締役会のみならず、報酬委員会委員長、指名委員会委員として強力なリーダーシップを発揮しており、社外取締役とCEOのみが出席する会議を主催するなど、モニタリングボードの要として当社に資するところが大きいと判断し、社外取締役に選任しています。

取締役会
16回/16回
指名委員会
3
回/3回
報酬委員会
5回/5回

石黒 不二代 独立役員
取締役
指名委員会委員
特にデジタルマーケティング分野の造詣が深く、また、現役の上場企業経営者として長年にわたる企業経営の経験を有しています。2014年6月の当社取締役就任以来、デジタル化が進む環境下における顧客サービスのあり方など、その知見を活かし将来をも見据えた積極的な提言を取締役会で行っていることから、社外取締役に選任しています。 取締役会
16回/16回
指名委員会
3回/3回
堂前 宣夫 独立役員
取締役
指名委員会委員長
報酬委員会委員
国内外においてオンラインとリアルの両側面から一般消費者向けに小売事業を展開し成長させた経験を有し、加えてグローバルな組織・業務システムや内部管理態勢の構築に関わる深い経験を有しています。2016年6月に当社の取締役に就任して以来、事業の成長機会追求とリスク管理の両面から積極的な発言を取締役会で行っていることから、社外取締役に選任しています。 取締役会
16回/16回
指名委員会
3回/3回
監査委員会
(在任中)
3回/3回
報酬委員会(在任中)
4回/4回
小泉 正明 独立役員
取締役
監査委員会委員長
公認会計士資格を有する財務会計の専門家であり、金融機関を含む企業の会計監査業務の経験や企業の上場に関わる実務に携わった長年の経験を有しています。2018年6月に当社の取締役に就任して以来、ガバナンス機能の向上につながる積極的な発言を取締役会で行っていることから社外取締役に選任しています。 取締役会
16回/16回
監査委員会
11回/11回
金野 志保 独立役員
取締役
監査委員会委員
弁護士資格を有する法律の専門家であり、企業の業務執行にあたった直接の経験は有しておりませんが、数多くの上場企業の社外役員としての経験を有し、加えて、弁護士業務を通じてコーポレート・ガバナンスに関わる深い知識を有しています。2018年6月に当社の取締役に就任して以来、経営の透明性の向上および監督機能の強化につながる積極的な発言を取締役会で行っていることから社外取締役に選任しています。 取締役会
16回/16回
監査委員会
11回/11回
朱 殷卿 独立役員
取締役
監査委員会委員
朱殷卿氏は、証券会社における M&A 戦略や財務・資本政策に関する高い知見、金融機関における企業経営者としての豊富な経験や人脈を有しております。また、上場企業の社外取締役監査等委員の経験も有しております。グローバル金融市場や投資銀行関連の知見に基づき、当社取締役会において適切な提言・助言をいただくことを期待し、社外取締役に選任しています。 取締役会
-/-
監査委員会
-/-

※ 1 社外取締役・独立役員の互選により、2015年4月より筆頭独立社外取締役に指名されています。

執行役選任理由

当社の経営幹部である執行役について、選任時における説明は以下のとおりで す。

氏名 選任理由
松本 大
(代表執行役)

2004年8月の当社設立以来、創業社長として当社グループ事業の成長・拡大を牽引し、海外事業展開、クリプトアセット事業進出への道筋をつけてきました。当社CEOに求められている、決断力、コミュニケーション能力、戦略的思考力等に優れています。当社グループが厳しい外部環境の中で必要となるアセマネモデルへのビジネスモデル転換を推進するうえで、代表執行役社長CEOとして引き続き当社グループの経営執行の中核を担うことが適切と判断されました。

清明 祐子
(代表執行役)
当社グループの収益の柱である日本セグメントの中核事業会社、マネックス証券代表取締役社長として強いリーダーシップを発揮し、社内外から高い評価を得ています。また、当社の戦略企画担当として重要な外部関係の構築、維持に貢献しています。これらを評価し、当社の代表執行役としての資質ありと認め、引き続きその任にあたることが適切と判断されました。
兼子 公範
(執行役)

証券系のシステムに精通し、マネックス証券の取締役として同社の取引基幹システムの開発・運用に関し、様々な提言を行っています。暗号資産ビジネスが加わり、グループ全体におけるセキュリティ対策が重要となる中でその任にあたることが適切と判断されました。

大八木 崇史
(執行役)
米国セグメントの担当として尽力し、黒字化基調への転換を実現しました。米国事業の収益力強化およびクリプトアセット事業をはじめとする新しい金融ビジネスへの取り組みをすすめる上で、その任にあたることが適切と判断されました。
ジョン・バートルマン
(執行役)
米国セグメントのTradeStationグループのトップとして、人員削減の難局に対処しながらも強いリーダーシップを発揮して経営を立て直し、黒字化基調への転換を実現しました。外部環境の激しい変化に対応し、TradeStation事業の収益性を高めるために、引き続きその任にあたることが適切と判断されました。
桑島 正治
(執行役)

証券業界のシステムに精通しており、日興コーディアルグループの危機にあたっては同社代表執行役社長として同社グループを立て直すなど証券業界における経営執行の優れた実績があります。2009年以降は当社およびマネックス証券の経営の一角を担い、マネックス証券における基幹システム内製化を主導。暗号資産ビジネスを始めとして新規の事業を展開する中でグループ全体における品質管理や危機管理が一層重要になる中、引き続き執行役としてその職責を果たすことが適切と判断されました。

萬代 克樹
(執行役)
当社グループの中核であるマネックス証券において、長年商品開発部門を担当し、さまざまな新商品、サービスの提供を通じて、同社の収益向上に貢献しています。ブロックチェーンやAI等テクノロジーを活用して従来の枠組みを超えた新しい金融商品を提供できる可能性が広がるなかで、革新的なサービスを提供するとともに、当社の重要戦略であるアセマネモデルへの転換を進めるため、引き続きその任にあたることが適切と判断されました。
山中 卓也
(執行役)

複数のオンライン証券会社において、経営企画部門や人事部門における経験が豊富であり、特にジェット証券では代表取締役社長として経営にも携わった経験を有しています。今後、当社グループが人事戦略におけるダイバーシティの更なる強化を図るにあたり、執行役として業務にあたることが適切と判断されました。

山田 尚史
(執行役)

機械学習・深層学習を主軸としたIT関連の BtoB企業を共同創業し、ITベンチャー企業の取締役、最高技術責任者としての経営経験と、知的財産の専門家(弁理士)としての長い実務経験を有しています。2021年6月に社外取締役に選任されて以降は、IT関連の知見と若い世代としての新鮮な感覚により、取締役会の活性化に多大な貢献を果たしてきました。当社のクリプト事業や新規事業のテクノロジー担当執行役として、その業務にあたることが適切と判断されました。

アドバイザリーボード

(※2013年5月開催の第52回をもって終了)

当社は、マネックス証券当時の1999年12月から2013年5月までの約13年半、52回にわたり、大所高所の立場から、バランスのとれた多面的・中立的な意見・提言や、当社グループ全体の事業運営に資する幅広いアドバイスを得ることを目的として、毎四半期に一度、有識者で構成されるアドバイザリーボードを開催してまいりました。
当社が2013年6月に委員会設置会社に移行したことに伴い、アドバイザリーボードはその役割を終えたと判断し、開催を終了することといたしました。

アドバイザリーボード開催一覧

第3回(2000年5月開催)から第52回(2013年5月)までの各回の参加委員および主な議題を掲載しております。