ART IN THE OFFICE 2020 作品「イカリング」

ART IN THE OFFICE 2020 作品「イカリング」
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「ART IN THE OFFICE 2020」作品が展示されているプレスルーム(GALAXY)

※画像の無断転載・複製を禁じます。

「ART IN THE OFFICE」プログラムとは

「ART IN THE OFFICE」は、現代アートが未開拓の表現を追求し、社会の様々な問題を提起する姿勢に共感し、当社を通じて現代アートの新進アーティストを支援する場づくりをしたいとの想いから、2008年より当社が社会貢献活動並びに社員啓発活動の一環として継続して実施しているプログラムです。2020年度は、86の応募作品案の中から、イカを素材に用いてイカを描くユニークさと、独自の生命観をオフィス内に展開させるスケール観が評価され、宮内裕賀氏の作品「イカリング」が受賞作品として選出されました。

吉田桃子氏

作品:宮内裕賀/「イカリング」/2020年/キャンバス、ジェッソ、アオリイカイカ墨、コウイカ貝殻、ケンサキイカ水晶体、アラビアゴム、油彩、水彩、ハトメ/6500×1350mm

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宮内 裕賀氏コメント:
 

この作品に使用したイカ墨は全て、ある1杯のアオリイカの墨汁嚢から取り出したモノです。1杯の身体で、ここまで描けるイカ墨の力強さにイカの生命力を感じました。そして同時に、このイカ墨をもたらしてくれたイカはもうこの世には生きていないということを考えました。イカの命をいただいて描くことで私は生かされています。それぞれの存在に境界はなく身体の輪郭を超え私たちは地球の生の一部であり、全ての生命や物事は関係しないではいられません。食べ物と生き物のイカを、死者であるイカのイカ墨とイカ甲で描きました。周りの抽象のイカはこれからうまれてくる生命で、イカの虹色素胞をイメージした構造色の機能を持つ絵の具を使い描きました。カラーの部分は油彩でイカの眼球と墨汁嚢を描いています。青い絵の具を多く使っているのは、イカの青色の血液を表現するためです。世界は未知のことで溢れています。食べ物として身近にあるイカについても、知らないことがたくさんあると思います。人間はみんな一人ひとりちがう感覚でこの世をとらえています。イカになって地球を眺めてみたら新しい発見があるかもしれません。世界初のイカの人工飼育に成功した研究でも使用されていた円形水槽のような空間に、イカの絵を展示させていただくことができてとても嬉しいです。

宮内裕賀氏

宮内 裕賀氏プロフィール

1985年、鹿児島県生まれ。タラデザイン専門学校卒業。2004年頃に近所のおじさんが釣ってきたイカの美しさと美味しさに魅了され、以来ひたすらイカの絵を描き続けている。第22回岡本太郎現代芸術賞入選、TOKYO MIDTOWN AWARD 2019 アートコンペ準グランプリ受賞。これまでの展示に「全国いか加工業協同組合創立50周年記念式典」ホテルオークラ東京(2015年、東京)、「国際頭足類諮問委員会函館会議」函館国際ホテル(2015年、北海道)、「Cephalopod Interface in Crete」ギリシャ・クレタ水族館(2017年、ギリシャ)、個展「イカスイム」レトロフトMuseo(2018年、鹿児島)、「Street Museum」東京ミッドタウン(2020年、東京)などがある。

宮内 裕賀氏 website:http://www.miyauchiyuka.com/