ART IN THE OFFICE 2018 作品「見えない地図を想像してください」

ART IN THE OFFICE 2018 作品「見えない地図を想像してください」
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「ART IN THE OFFICE 2018」作品が展示されているプレスルーム(GALAXY)

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「ART IN THE OFFICE」プログラムとは

マネックスグループは、社会文化活動として「ART IN THE OFFICE」プログラムを2008年より開始しました。 現在は、マネックス証券が社員啓蒙活動および社会文化活動の一環として主催し、NPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]の企画協力を得て運営しています。 本プログラムは、現代アートの分野で活動する新進アーティストからプレスルームの壁に制作する作品案を一般公募し、 選出された1名(1組)のアーティストに対して、制作費および賞金ならびに作品を当グループ会議室で一定期間展示する機会を提供するものです。 本年度は87作品案の中から、「見えない地図」をキーワードにその場に居合わせた人の記憶を頼りに形づくるコンセプトのユニークさ、また、アートと人々のコミュニケーションの広がりに可能性を感じさせられる点が評価され、金子未弥氏の作品「見えない地図を想像してください」が受賞作品として選出されました。

作品:金子未弥/「見えない地図を想像してください」
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作品:金子未弥/「見えない地図を想像してください」/
2018年/インク、ビニールテープ、グロスポリマーメディウム/8700㎜×1690㎜

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金子未弥氏コメント:
 

「ここに見えない地図が書かれていると想像してください。その地図上に『中心の場所』『重要な場所』『行きたい場所』『行った場所』『思い出した場所』をそれぞれ配置してください。」このように呼びかけるワークショップを7日間行いました。結果、およそ60人の参加者による「見えない地図」が会議室の湾曲した壁面で重なり合う状況が出現しました。
一人で想像する「見えない地図」は、経験と記憶から導きだされた個人の肖像であるといえるでしょう。
では、複数の参加者による「見えない地図」は、どのような記憶を私たちに見せてくれるのでしょうか。
壁面に書き込まれた場所の名前は、個人の経験や意識などが、他者との複雑な関係性を構築しながら配置されています。交錯した線は、ただ土地の名前を繋ぐだけではなく、記憶の風景を結びつけます。それは単なる「地図」を超えた多元的な風景を浮かび上がらせます。
複数人による「見えない地図」は、さまざまな記憶が同時多発的に変化する光景を私たちに見せているのかもしれません。

金子未弥氏

金子未弥氏プロフィール
1989年神奈川県生まれ。2017年多摩美術大学大学院美術研究科博士後期課程美術専攻修了、博士号(芸術)取得。
人々の場所に関する記憶から「都市の肖像」へと導くプロジェクトや作品制作を行っている。
黄金町レジデンス・アーティスト、Tokyo Midtown Award 2017 グランプリ受賞。
近年の展示に、2016年個展「金子未弥展-都市の肖像を求めて-」(KOMAGOME1-14cas/東京)、2018年「Street Museum」(Tokyo Midtown Plaza B1, Metro Avenue/東京)などがある。