中長期的な会社の経営戦略 「グローバル・ヴィジョンII - Bloom」

企業理念にあるように、当社は最先端のIT技術、世界標準の金融知識を備え、新しい時代におけるお金との付き合い方をデザインし、更には新しい時代の金融を再定義し、全ての個人の投資・経済活動をサポートすることを目指しています。

 

日本のオンライン証券の草分けでもあるマネックス証券を母体としてスタートした当社は、アジアで最も古いオンライン証券である香港のBOOM証券(現Monex Boom証券)、アクティブ・トレーダー層を魅了してやまない圧倒的な証券システム開発力を誇る米国のオンライン証券であるTradeStation証券を買収し、これらの会社との一体化を進める「グローバル化」と協働してオンライン取引システムを開発し内製化を進める「システム内製化」を中心とする当社グループの中長期経営戦略=グローバル・ヴィジョンをこの5年間ほど実行してまいりました。

 

その結果、当社グループは、日・米・香港にリテール証券ビジネスの本拠地を持ち、中国本土やその他地域でもリテール証券ビジネスに関わり、世界各拠点でのオンライン取引システムの内製化やツールの最先端化を実現し、世界の金融ビジネスの動向や、最先端のテクノロジーや新しいビジネス領域の動向を把握できるようになりました。

 

このように、グローバル・ヴィジョンの当初目的が実現された中で、これからの中長期的な経営戦略は、「グローバル・ヴィジョン II - Bloom」と銘打って、ここまで実現してきた戦略の果実を取りに行くことを主眼とします。

 

即ち、日本セグメントにおいては低コストかつ柔軟で機動的な開発を支える内製化システムと世界標準の金融知識を活用し、コストを下げ収益を増やし、アメリカセグメントにおいては日本セグメントでの経験も活かし顧客基盤を拡大させ、成長分野であるアジア・パシフィックセグメントにおいては事業規模の拡大を目指し、グループ全体としての事業の成長と連結営業利益率30%をめざしてマージンの改善に努めることを、中長期経営戦略の大きな柱とします。

 

そして、各地域セグメントごとの独立した経営力と収益力を高め、全ての地域セグメントが当社の利益、企業価値の向上に貢献する体制を強固なものにしていきます。事業持株会社である当社は、各セグメントに対するハイレベルな経営戦略の確認と指示、経営資源の配分、各セグメント間の協働などを調整しコントロールする機能の強化に努め、グローバル経営におけるシナジー効果の創出と最大化に努めます。このようにして、グローバルな経営基盤の強化と経営の重層化を図ってまいります。

 

更に、安定した収益、利益を創出する事業ポートフォリオの構築を目指し、中長期戦略の大きな柱である「マージンの改善」を損なわないように留意しつつ、事業領域の多様化、商品・サービスの多様化、取引手数料依存体質からの脱却と、より安定した収入を持つビジネスの強化、当社が有する経営資源を活用したマネックスらしい新事業の創造などに努めてまいります。

 

グローバル・ヴィジョンから「グローバル・ヴィジョン II - Bloom」へ。株主の皆さまの期待に応える経営を邁進してまいります。

 

 

2017年4月28日

 

マネックスグループ株式会社

取締役会長兼

代表執行役社長チーフ・エグゼクティブ・オフィサー

松本 大