経営に影響を与える多様なリスクに応じた適切な管理体制を敷いています。

当社および当社子会社が認識するリスクについては、法令に従うほか「統合リスク管理規程」の定めにより管理しています。当社は、経営に影響を与えるリスクを、許容できる一定の範囲内にとどめることが事業目的達成に資するという考えに基づき、リスクを識別・分析・評価し、それぞれのリスクに応じた適切な管理体制を整備しています。また、リスク管理に関しては、CEOが任命したリスク管理統括責任者がリスク管理体制の整備および運用状況を取締役会に定期的に報告しています。
 

リスクとして認識された事項は、体系的に分類され、個々のリスクについてその所在場所および関連部門を明確化しています。そのうえで、リスク管理統括責任者がリスクを網羅的に把握し、リスクの経営への影響度および発生確率を見積もり、当社グループ全体がどの程度のリスクに晒されているかを定量化し、取締役会に報告しています。

当社の「統合リスク管理規程」においては、
次の10のリスクを管理することを定めています

① 市場関連リスク

② 信用リスク

③ 流動性リスク

④ 情報セキュリティリスク

⑤ システムリスク

⑥ 事務リスク

⑦ リーガルリスク

⑧ レピュテーションリスク

⑨ 災害リスク

⑩ その他リスク

日本セグメントのリスク管理について

日本セグメントの主たる会社であるマネックス証券は、固有のリスクについて規定や組織、会議体を設け、リスク管理をしています。

マネックス証券におけるリスク管理に関わる主な会議体

会議体名称 参加者 内容
コンプライアンス・ミーティング
  • 内部管理統括責任者
  • 取締役
  • コーポレート管理部担当役員および部長
  • 品質管理室担当役員および室長
  • 内部監査室長 他
コンプライアンスに関する内部管理統括責任者の諮問機関。コンプライアンスに関する制度等の策定、運用等にかかる全般的な事項を協議します。
QMS(※)確認会議
※ Quality Management System
=品質管理システム
  • 内部管理統括責任者
  • システム開発部門担当役員
  • 品質管理室長 他
システム品質管理に関わる規程類の整備状 況、外部委託先管理状況、システム障害の発生状況・障害の再発防止策定状況等に関する報告および審議を行います。
情報セキュリティ管理委員会
  • 情報セキュリティ管理委員会委員長
  • (内部管理統括責任者およびチーフ・インフォメーション・セキュリティ・オフィサー)
  • 人事部担当役員および部長
  • システム開発部門担当役員および部長 他
全社的な情報セキュリティ管理に関する調整および意思決定を行います。
クレジット・コミティ
  • リスク管理統括責任者
  • 経理財務部および
  • コーポレート管理部担当役員 他
信用取引、先物オプション取引など信用リスクを伴う取引に関して、例えば、与信管理および顧客管理の観点から顧客に付与する与信枠の設定や変更、個別銘柄に関する社内規制の実施・解除などについて審議します。
システムリスク管理会議
  • オペレーション本部担当役員および本部長
  • システム管理部長
  • システム運用部長
  • 品質管理室長
  • リスク管理統括責任者
現在稼働しているシステムにおけるシステムリスクの状況を月次で確認します。
コミットメント・コミティ
  • コーポレート管理部担当役員
  • 経理財務部長
  • コーポレート管理部長 他
当社の引受け等の可否、当社が幹事会社として決定する新規公開に関わる案件の価格および範囲等(想定価格および想定仮条件、仮条件公開価格等)の妥当性の審議を行います。

米国セグメントのリスク管理について

米国セグメントはオンライン証券とテクノロジー会社を主な事業としており、固有のリスクについて規定や組織、会議体を設け、リスク管理をしています。

トレードステーション社におけるリスク管理に関わる主な会議体

会議主体 会議体名称 参加者 内容
TSG
※ 1
Information 
Security Risk 
Committee
チーフ・インフォメーション・セキュリティ・オフィサー
チーフ・リスク・オフィサー
チーフ・コンプライアンス・オフィサー(TSS ※ 3)
チーフ・テクノロジー・オフィサー
チーフ・ブローカレッジ・オフィサー 他
サイバーセキュリティー・プライバシーにおけるリスクの特定、および各リスクへの対応策の立案を目的とし、チーフ・リスク・オフィサーのサポートを行う
TSG
※ 1
Third Party Vendor 
Risk Committee
チーフ・リスク・オフィサー
チーフ・インフォメーション・セキュリティ・オフィサー
チーフ・ブローカレッジ・オフィサー
チーフ・テクノロジー・オフィサー
チーフ・フィナンシャル・オフィサー
チーフ・フィナンシャル・オフィサー(TSS ※ 3)
チーフ・グロース・オフィサー
チーフ・コンプライアンス・オフィサー(TSS ※ 3)
第三者ベンダーのモニタリング、リスクの特定、およびリスクへの対応策の立案を目的とし、チーフ・リスク・オフィサーのサポートを行う
TSG
※ 1
Legal and 
Compliance
Risk  Committee
チーフ・コンプライアンス・オフィサー(TSS ※ 3)
チーフ・リスク・オフィサー
チーフ・インフォメーション・セキュリティ・オフィサー
チーフ・ブローカレッジ・オフィサー
チーフ・テクノロジー・オフィサー
チーフ・フィナンシャル・オフィサー
チーフ・グロース・オフィサー
チーフ・コンプライアンス・オフィサー(TSS ※ 3) 他
法規・コンプライアンスにおけるリスクの特定、および各リスクへの対応策の立案を目的とし、チーフ・リスク・オフィサーのサポートを行う
TST
※ 2
Risk Management 
Oversight  Committee
チーフ・リスク・オフィサー(TSG ※ 1)
プレジデント
チーフ・インフォメーション・セキュリティ・オフィサー(TSG ※ 1)  他
  • ビジネスリスクの特定と優先順位を確認
  • リスク対応策の効果を測定
  • ビジネスリスクの対応策に関するリソースの分配と責任者の任命
  • 企業リスク管理のインフラを改善
TST
※ 2
IT Architecture  Risk Committee プレジデント
チーフ・インフォメーション・セキュリティ・オフィサー(TSG ※ 1)
チーフ・リスク・オフィサー(TSG ※ 1) 他
  • ITインフラに対する方針やガイドラインを管理および調整
  • アーキテクチャ戦略から逸脱する例外事例を決定
  • 責任者による各アーキテクチャの課題へのリスク解決策をレビュー
  • 情報セキュリティー投資について、TSG取締役会への付議を検討
TST
※ 2
Technology 
Operations Risk 
Committee
プレジデント
インフォメーション・テクノロジーヴァイス・プレジデント
チーフ・インフォメーション・セキュリティ・オフィサー(TSG ※ 1)
チーフ・リスク・オフィサー(TSG ※ 1) 他
  • オペレーション、テクノロジー戦略とそれに関連する予算や支出をレビュー
  • 停止要因の修復を監督
  • 新規のプロジェクトや商品サービスに係るリスク、または主要なオペレーション、テクノロジーリスクをレビュー
  • 災害復旧計画の管理および実践を実施
TSS
※ 3
Margin and 
Market Risk 
Committee
バイス・プレジデント・オブ・リスクマネジメント
プレジデント
チーフ・オペレーティング・オフィサー
チーフ・リスク・オフィサー
チーフ・コンプライアンス・オフィサー 他
マーケット環境および取引のリスクに対する管理能力を向上させていくことを目的とする。お客様のレバレッジ取引やデリバティブ取引によるリスク影響度を管理し、信用貸付方針を起案する
TSS
※ 3
Settlement, 
Segregation, 
Liquidity, Capital &  Counterparty Risk  Committee
チーフ・フィナンシャル・オフィサー
プレジデント
チーフ・オペレーティング・オフィサー
チーフ・コンプライアンス・オフィサー
チーフ・リスク・オフィサー
グローバル・リスク・マネジメント・ディレクター 他
リスク環境を監視し、流動性リスク・キャピタルリスク・カウンターパーティリスクの低減策を監督する
TSS
※ 3
Risk Management 
Oversight 
Committee
チーフ・リスク・オフィサー
チーフ・コンプライアンス・オフィサー
チーフ・オペレーティング・オフィサー
チーフ・フィナンシャル・オフィサー
グローバル・リスク・マネージメント・ディレクター 他
優先度の高いリスクに対する管理を行い、自社の成長と目標の達成を脅かすリスクの低減策を監督する

※ 1 TSG:TradeStation Group, Inc.
※ 2 TST:TradeStation Technologies, Inc.
※ 3 TSS:TradeStation Securities, Inc.

クリプトアセット事業セグメントのリスク管理について

金融商品取引業者と仮想通貨交換業のリスク管理の違いについて

仮想通貨交換業者のリスク管理は、FX取引におけるリスク管理に類似した側面があります。例えば、お客さまと仮想通貨を取引することで発注するポジションについて、カバー取引(仮想通貨交換業者が保有するポジションについて他の仮想通貨交換業者とリスク回避のために行うヘッジ取引)をすることは、FX取引における外貨ペアのカバー取引と同じです。

ただし、カバー取引のリスクについては、FX取引よりも仮想通貨交換業者の方が流動性リスクは高い反面、レバレッジについては、コインチェック社は5倍とFX取引の規制の上限である25倍よりも小さいため、取引量に対するリスクの絶対額は少なくなります。

一方、仮想通貨取引の管理とFX取引の管理との違いは、ウォレットという形で預かることと、送金をブロックチェーン上で行うことが特筆されます。なお、株式取引を主体とする証券会社と比較すると、株式取引の主体となる株券は、証券保管振替機構で電子データとして管理されており、証券会社とは別の場所で保管されているのに対し、仮想通貨交換業者は自社で仮想通貨を保管することが多い点で、高いリスク管理が求められます。

仮想通貨交換業としての必要な管理

仮想通貨交換業は、上記リスク管理以外の面でもさまざまな管理が必要になります。マネーロンダリング防止の観点においても、仮想通貨交換業の方が監視ポイントは増えます。証券会社の場合は、証券口座への入金および証券口座からの出金は、銀行口座との間でのみ行われるため、それぞれの口座の名義が一致しなければ入出金ができません。一方で、仮想通貨交換業は、仮想通貨アドレスへの送金が可能であるため、より高度なマネーロンダリング防止対策が求められます。

また、システムセキュリティ対策としては、ハッカーからのサイバー攻撃などに対しては、さまざまな攻撃を想定したうえで、適切なモニタリングを行うなど独自のセキュリティ体制を強化しています。

仮想通貨交換業者と金融商品取引業者の違い

サービス内容 カバー取引 流動性リスク 入出金時の
名義確認
預かり資産の
流出リスク
総合的な
リスク管理
仮想通貨交換業者 取引所、交換所 銀行口座 / アドレス
金融商品取引業者 株式取引 - - 銀行口座
FX取引 銀行口座