この半年間で、世界はまた大きく変わりました。ひとことで云えば、証券会社にとっては大きな追い風が吹いてきた期間と云えるでしょう。日本経済は大胆な金融政策と共にデフレから脱却しつつあり、その株式市場はとても活発になりました。米国経済の復調が確かなものになりつつあり、金利の先高感が強くなってきています。一方新興国全般では若干の政情不安や経済の不透明感が強い期間でしたが、先進国を中心に金融市場の安定と拡大が進んだ半年と云えるでしょう。

このような環境の中で、当グループでは日本における経営環境のドラマチックな好転を背景に大きく利益水準を伸ばすと共に、グローバル・ビジョンの推進と見直しに取り組んできました。具体的には3月に米国FX事業のミドル・バックシステムを内製化、米国内FX流動性プールを統合することにより収益性を向上させ、5月には日本の顧客向けに内製化した新・投資情報サービスの提供を始めました。また近々、FXのアクティブトレーダーの間で世界標準となっているMT4や、いく度も賞を取ってきたトレードステーションの米株取引プラットフォーム日本への導入を予定しています。このように具体的にグローバル・ビジョンを進める中で、様々な課題にも私たちは直面しています。

 

-常に新しい技術を採り入れていかなければならないこと
-日米間にまたがる開発の場合、お互いの顧客を知れば知るほど、プロダクト・サービスレベルへの要求水準が高くなり、新たな開発の課題が増えること
-日米共に好転する市場環境の中で、長期目標に先んじて実行すべき短期課題が出てきていること

 

これらの課題の中で、当グループは3月末までに国際会計基準(IFRS)に移行し、世界の投資家やアナリストにより分かりやすくグローバル・ビジョンを説明し、そして意見・フィードバックを得られるようにし、6月の株主総会では委員会設置会社へと移行し、より現代のグローバル企業に適った経営体制の構築に努めてきました。更に6月には、当グループの執行部であるグローバル・マネジメント・コミティ(以下、Global Management Committee)に新たにチーフ・プロジェクト・オフィサー(Chief Project Officer)の設置と任命を行い、グループ全体の開発プロジェクトの管理を強化しました。

グローバルビジョン
マネックスグループ

グローバル・ビジョンは、最先端のIT技術、世界標準の金融知識および最高の顧客サービスならびに投資教育により、最良の金融市場・金融商品へのオンラインでのアクセスを実現することを目指しています。

Global Management Committeeでは上述した新しい環境と課題に対応するために、即ち好転する市場環境下での短期課題に対応しつつ、新しい技術をなるべく採り入れつつ、より質の高いプロダクト・サービスを開発・提供していくために、グローバル・ビジョンの実行多年度計画であるロードマップの見直しの議論を行い、当初の4年計画を1年延ばして5年計画とし、グローバルな固定費カットの目標も当初計画より10%程度下げました。これらは当グループの顧客、ひいては株主、更にはこれらロードマップを実行する社員という様々なステークホルダーの利益に資すると考えるからです。

グローバル・ビジョンの実現は世界中の個人投資家を中心とした当グループの顧客全員の夢であり、我々役員・社員全員のミッションであり、そして株主の皆様全員への利益でなければいけないと考えています。世界中のお客様が自由に世界中の金融商品をトレードできる。そしてそのアクティビティをサポートするサービスが、技術的にも人間的にも極めて優れている。MONEYの一歩前を行くMONEX。未来の金融を目指してマネックスグループはこれからも躍進してまいります。

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