最後になるが、途中でも書いたが、Global Visionは手品ではない。各拠点での問題は、各拠点で解決・改善するのが基本である。各拠点は常にその拠点に於ける収益改善、コストカットに努めなければならない。Global Visionとは別に、むしろその前提として、Localにしなければいけないことが常にたくさんあることを決して忘れないでいただきたい。
マーケットは変わっていく。そして社会も変わっていく。従って顧客の行動パターンや顧客自体の分布が変わっていく。その中で我々も変わっていかねばならないのは必然である。そして変化は常に自ら起こさねばならない。今回のGroupの変化もそうであったが、これからも環境変化に合わせて、或いは先取りして、自ら変化を起こしていかねばならない。MONEXは未来のMONEY・金融だと云ったが、この“未来”とはある時点で見えた未来ではなく、常にその時その時から見える未来である。rolling futureとでも云おうか。今回の変化を実りの多いものにし、更に次なる変化に備えられる会社になっていこう。
本当に最後に、少しだけ私の自己紹介をさせて欲しい。私は22歳の時に、全く英語ができなかった。それが米系投資銀行Salomon Brothersに入社した大きな理由である。アメリカの会社に入れば、英語ぐらいできるようになり、そうなれば私の世界が広がると思った。Salomon BrothersのあとはGoldman Sachsに転職したが、基本的に常にTrading、もしくはRisk takingの仕事をしていた。私はとにかくTradingが大好きである。昔は毎日朝から晩までTradingをしていたが、飽きたことは一度もなかった。そしていつでも新しい分野を開拓することが好きだった。完成したTrading businessは部下に渡し、新しいTrading businessやInvestment businessをゼロから創ることが好きだったし、得意だった。
Monexを創るためにゴールドマンサックスをIPOの直前にパートナーとして辞めた時に、多くの人は私のことを気がおかしくなったと云った。新しいビジネスモデルを信じられなかったのだろう。今回のGlobal Visionも同じように無理だと思う人はいるかも知れない。しかし今回のGlobal Visionを3拠点にまたがった800人による協働によって実現を目指していくことは大変刺激的で、興奮している。協働して実現できることは、一人で実現できることよりもきっと大きい。そしていつの日か、私は引退して、The Monex GroupのOne of the best & biggest clientsとなって、一日中Tradingをしていたい。それが私の夢です。
皆さん、頑張っていきましょう!