M&Aの目的

今回のMGによるTradeStation Group, Inc.の買収により、The Monex Groupは一気にGlobalな企業体に変身した。新しいThe Monex Groupは、アメリカに400人、日本に300人、香港を含む中国に50人の同僚がいることになる。皆はそれぞれ一様に、それぞれの不安を抱いていると思う。

 

アメリカの同僚は、日本の会社に買収されて自分たちはどうなるんだろう?と思っているかも知れない。日本の同僚は、今まで10年以上掛けて蓄えてきた利益の多くを使って買収をしてしまって会社はどうなるのだろう?と思っているかも知れない。香港の同僚は、自分たちの規模の違いから、存在感が無くなっていくのではないか?と思っているかも知れない。

 

これらの不安は全て不要の、間違った不安である。

 

私の考えではM&Aとは、A社がB社を買ってA社がB社をコントロールすることを必ずしも意味しない。M&Aは手段として、買収をする主語となっている会社の株主のコスト、リスク・テイキングによって、企業(群)を結合させる、もしくはグループ化する作用であり、今回も我々は、Monex Group, Inc.の株主にリスクを取ってもらうことにより、世界に類を見ない、オンライン証券を中核とした先進的なGlobalな金融関連企業グループを創造した。それは上記の3拠点間に上下関係があるものではなく、3拠点で一緒に協力しながら、新しい企業体を創っていくことが我々の使命であることを意味している。

Global Vision

では我々が創っていこうとする新しい企業体のイメージとは何だろうか?

 

それこそが、私の掲げるGlobal Visionに他ならない。

 

Global Visionとは、簡単に云うと、インターネットが元々Borderlessで、金融商品が(FXが最たる例だが)そもそもInternationalで、マーケットは益々24時間取引化していく中で、オンライン証券は一拠点のみで大きくなろうとするよりも、Globalに協働しながら成長することを目指すべきであり、そうすることで各拠点内でも国際的にも競争力が付き、その結果規模も大きくでき、かつ効率的な、即ち利益性の高い企業グループを創れるという考え方である。

 

誤解を避けるために云うと、Global Visionは世界的な収益の分散を第一目的として目指しているのではなく、あくまでも結果として収益が分散され株主にとってリターンとリスク(ボラティリティ)の関係が改善する可能性が高いというものである。

 

またGlobal Visionはその枠組みを創るだけで手品のようにGroup全体の競争力・収益性が自動的に向上するものではない。各拠点が自己努力で収支改善に努めるべきであり、その上でシステムの共用などによる追加的コストカットを追求することが可能になり、また各拠点のHome marketの商品・サービスをGroup内企業に供給することにより、他Groupに比して競争力を持ちうるというものである。

 

もう少し詳しく、具体的にGlobal Visionを説明していきたい。